このように思ったきっかけは、セブン-イレブンの「竜田揚げ棒」というホットスナックを愛好する筆者だが、まれに「竜田揚げ棒」ではなく「からあげ棒」しか置いていない店舗が存在する。しかも、それが自宅最寄りのセブン-イレブンなのだ。
「からあげと竜田揚げなんて、どこに違いがあるんだ?」と鼻で笑う読者諸兄は何もわかっていない。竜田揚げ棒のカリカリとした衣と肉汁のハーモニーは、からあげ棒とは雲泥の差があるのだ。
そんなわけで、各大手コンビニチェーンのお客様相談センターに、商品のラインナップはどうやって決まるのかを問い合わせてみた。
セブン-イレブン、ファミリーマート、ミニストップの3社に問い合わせたところ、各チェーンとも「商品仕入れの基準は各店の経営者の判断なので、店舗に直接お問い合わせください」という回答。商品が生産中止になっていなければ、仕入れることは可能だそうだ。「確実に入荷するとは言えませんが、店舗の従業員にリクエストをすれば声が届くはずです」とミニストップ。また、セブン-イレブンでは「店舗の従業員に言えば、予約・取り置きなどもできる」というから、「どうしても、コレが食べたい」という場合は、店員に交渉するのが一番手っ取り早いだろう(ただし、顔を覚えられて気まずくなるなどのリスクはあるかもしれない)。
だが、筆者の気になるセブン-イレブンの「竜田揚げ棒」問題は、そう簡単に解決しなさそうだ。これは店舗にフライヤー(揚げ物調理器)が設置されているか否かで、その可否が決まるそうだ。「換気の問題や大家とテナントの取り決めなどで、フライヤーを設置できない店舗があるんです」とのことで、フライヤーが設置されている店舗には「竜田揚げ棒」を入荷できるが、設置されていない店舗ではレンジで温める「からあげ棒」しかないようだ。
「竜田揚げ棒」を頬張りながら帰路につくという夢は破れ去った。
まあ、ローソンの「鶏竜田揚げ棒」があるから、別にいいんだけどさ。
(文=萩原雄太)