粉飾決算の手口は次のようなものだ。インデックスが実態のない会社から架空の仕入れを繰り返し、代金からキックバックを受けていたことを関係者が証言している。特捜部は、キックバックで得た金が循環取引に協力する会社への謝礼に充てられたとみて、正美氏と善美氏を追及する。
インデックスはコンテンツ開発などの名目で、知人が運営する会社からソフトウェアなどを購入し、代金の大部分がインデックス側に還流されていたという。インデックスは数十社とこうした取引を繰り返し、裏金を捻出していたとみられている。売り上げ、利益を水増すための循環取引には関連80社が使われており、協力した会社には裏金から顧問料などの名目で手数料が支払われていたという。
07年までインデックスの監査を担当していたのは明和監査法人。一部の取引について明和は「取引に不審な点がある。売掛金が回収されていない」と指摘し、インデックスは一部の売り上げの計上を取り消し、決算書をつくり直した。その直後の07年10月、インデックスは監査法人を明和から清和に変更しており、特捜部は循環取引の発覚を免れ、粉飾決算を続けるために監査法人を変更した疑いがあるとみて調べている。
インデックスの粉飾決算を主導してきたのは、経営企画室であったことが明らかになってきた。経営企画室には資金調達や会計・税務に詳しい社員が複数配置されており、関連企業に対し循環取引へ協力させるために手数料の支払いを持ちかけていたのもこの部署だった。インデックスは07年8月期決算から5年連続で赤字となり、決算期が近づくと正美氏から「赤字になったら困る」と循環取引を指示されていたといわれている。
●日本振興銀行ルート
そんなインデックスの不正取引には、10年に経営破たんした日本振興銀行が関与していた疑いが持たれている。
日本振興銀行は中小企業の振興を旗印に03年に設立され、日本銀行出身で金融監督庁(当時)の金融監査マニュアル策定にもかかわった木村剛氏が創業メンバーに名を連ねるなどして当時、話題を呼んだ。
インデックスは09年3月10日、40億円の第三者割当増資を実施すると発表し、日本振興銀行と同行傘下のNISグループがそれぞれ5億円を出資。残る30億円は、正美氏の個人会社、落合アソシエイツが引き受けた。子会社のインデックス・アジアパシフィックも、アジア・インキュベーション・ファンド投資事業組合を引受先に第三者割当増資を実施し50億円を調達した。同年3月27日の払い込みで、インデックスは子会社と合わせて90億円の資金を調達したことになる。