忠司氏は高校卒業後、辻調理師専門学校に入学し、和・洋・中を一通り学んだ。リーガロイヤルホテルに入社しウェイターを経験。知人の誘いで「やきとり道場」を運営していたが、85年、25歳の時に独立して、東大阪市で「鳥貴族」の第1号店を出店。開業当初から均一価格でスタートし、現在も焼き鳥とドリンクのすべてが280円(税込302円)均一だ。店舗数は353店(14年4月末)。13年7月期の売上高は前年同期比18%増の128億6400万円で、当期純利益は同3.3倍の2億1200万円。株式上場によって、1万株を保有する大倉は多額の上場益を得ることになる。
上場会社株主の芸能人たち
実は大倉以外にも、上場会社の株主に名を連ねる芸能人は少なくない。
よく知られているのが、フリーキャスターで司会者のみのもんた(本名:御法川法男)だ。みのは父親から引き継いだ水道メーター・ニッコクの取引先である愛知時計電機の株式を359万株保有する同社第2位の大株主だ。年初来高値313円(1月22日)で計算すると、約11億円の時価総額になる。
女優の萬田久子は、内縁の夫が経営していたファッションブランドを展開する、リンク・セオリー・ホールディングスが05年に東証マザーズに上場した際に1200株を保有し、その資産は19億円あった。同社は、のちにファーストリテイリングに買収されている。
元プロサッカー選手の中田英寿は、スポーツ選手のマネジメントを手掛けるサニーサイドアップの株式を20万株保有する第3位の大株主。年初来高値の1098円(1月9日)で計算すると、その資産は2億円に上る。
フリーアナウンサーの夏目三久は、インターネット関連サービスを手掛けるイー・ガーディアンの創業者一族。10年12月に同社が東証マザーズに上場した際、2万4000株(保有比率1.71%)を保有していたが、現在は大株主に夏目の名前はない。
以上挙げた以外にも、ひっそりと上場企業の株主に名を連ねている芸能人は少なくない。中には本業以上に収入を得ている例もあるようだ。
(文=編集部)