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年間契約の講師は授業単位(コマ)や時間、場合によっては分単位で賃金が支払われる。単価は講師の実績などに応じて決められ、一方的に下げられることは少ないが、特にバブル崩壊以降は人件費を抑制するため、講師1人当たりの授業数や授業時間が減らされてきた。代替の講師もいないため休みがとれない一方で、受講生募集のためのイベント的な授業などを、正規の賃金をはるかに下回る額で強いられることも多い。これらを断ろうとすれば、次年度の契約不更新をちらつかせ、圧力を掛けられることが日常茶飯事だ。
小中学生部門を担当するある講師は「次年度の授業を担当するのに都合の悪い曜日を教えよ、という本部側のアンケートに、家庭の事情で特定の曜日が不都合だと答えると、あえてその曜日に授業を入れられた。無理だと断ると、次の契約で週1日分の仕事を減らされた」と明かし、さらに「ここ10年ほどで多くの講師の生活が苦しくなり、同時に生徒へのサービスも大幅に低下した」と訴える。
代ゼミ苦境の理由として近年の浪人生減少を指摘する声が多いが、少子化の影響は小中学生などの下の世代を対象とする部門からくる。むしろそうした部門の方が、生徒のやる気を引き出すという教育理念とは裏腹に、「講師に対してやる気をそぐことばかりしている」(前出の講師)実態が浮かび上がる。
(文=関口威人/ジャーナリスト)
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