パ・リーグ関係者の間では、「東北楽天ゴールデンイーグルスのオーナーで楽天会長兼社長の三木谷浩史氏と南場氏は、オーナー会議で激突するのではないか」ともいわれている。両者の確執の根は深い。TBSホールディングスが現ベイスターズの前身・横浜ベイスターズを交流サイト「モバゲー」を運営するディー・ エヌ・エーに売却することをめぐり、1人猛反対したのが三木谷氏だった。「プロ野球の名前を使い、子供たちに課金システムがあるモバイルゲームをプロモーションしていいのか。(モバゲーをめぐっては)被害者も出ている」と指摘、ディー・ エヌ・エーのプロ野球参入に断固反対を表明した。だが、11年12月1日に開かれたオーナー会議で、三木谷氏の主張は他のオーナーの賛同が得られず、ディー・ エヌ・エーのプロ野球参入が承認された経緯がある。
参入反対の動機について三木谷氏は「自分の正義感」と説明していたが、あまりに執拗な反対ぶりに、さまざまな説がささやかれた。
1つはグリーへの肩入れ説である。グリーの創業者、田中良和氏は楽天の出身で、グリーが株式会社化する際には楽天が出資した。田中氏は三木谷氏から「気合と根性」を叩き込まれて起業。三木谷人脈の1人だ。
一方、南場氏は1986年に津田塾大学卒業後、外資系コンサルティング会社マッキンゼー&カンパニーを経て、90年米ハーバード大学でMBA(経営学修士)を取得。3つ年下の三木谷氏は93年に同大学でMBAを取得。先輩・後輩の間柄で、関係はこれまでは良好とされてきた。
「週刊朝日」(11年11月11日号)は「ある事業を巡って反目し、今は口もきかない」と報じている。この記事では「ある事業」がなんなのかは書かれていないが、ゲーム事業を指しているとみられている。