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2023.04.29 02:06
2015.04.16 00:09
小黒一正教授の「半歩先を読む経済教室」
黙殺される河野太郎議員が明らかにした「不都合な真実」 23年度以降は財政悪化との衝撃試算
では、内閣府の中長期試算における名目GDP成長率や財政赤字の見通しはどうか。
まず、高成長を前提とする「経済再生ケース」の名目GDP成長率は3.5%程度を見込むが、バブル崩壊後から11年度までの平均成長率はマイナス0.1%であり、拙著『財政危機の深層』(NHK出版)でも説明しているように、経済再生ケースは現実的でない。このため、慎重な成長率を前提とする「ベースラインケース」では、15年度以降、名目GDP成長率の平均は1.5%程度としている。また、中長期試算の財政収支(対GDP)は、以下の通り、ベースラインケースでは23年度頃に6%超の赤字となる。
図表:財政収支(対GDP)の見通し
このように、名目GDP成長率(n)が1.5%程度で、財政赤字のGDP比(q)が6%超の場合、前出(※1)式より、債務残高(対GDP)の収束値(q/n)は400%超(q/n=4超)となってしまう。
つまり、厳しい現実であるが、財政再建を達成するためには、社会保障改革を含め、歳出削減や追加の増税が不可避なのである。
(文=小黒一正/法政大学経済学部教授)
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