USJは大阪市などが出資する第3セクターとして設立され、01年にテーマパークを開業した。ハリウッド映画を題材としたアトラクションで人気を集め、07年に東証マザーズに上場した。だが、リーマン・ショックで来場者が減少し、立て直しのためゴールドマン・サックス・グループによるTOB(株式公開買い付け)の後、09年に上場廃止となった。
再スタートしてからは、若者をターゲットにした戦略から家族や女性向けに転換。「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」などの新アトラクション投入が功を奏し、13年度(13年4月~14年3月)の来場者は1050万人と、開業時の01年度に次ぐ水準に回復した。
14年7月15日には450億円を投じ、人気映画シリーズ『ハリー・ポッター』の世界を再現した新アトラクション「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がオープン。それら新エリアが人気を呼び、14年度入場者は1270万人を記録。開業初年度(01年度)の1103万人を大きく上回った。
ハリポタ効果で人気が回復したUSJが次に計画したのが、沖縄での第2テーマパークの建設だ。建設費を調達するために、東京証券取引所への再上場を考えているという。
沖縄進出の狙いはカジノか
USJの沖縄進出の狙いは、カジノ進出だとみられている。米ブルームバーグは昨年8月12日、USJがカジノ事業への進出を目指し、複数の海外事業者と共同事業に向けて交渉していると報じた。カンペル社長がインタビューの中で明らかにした。
USJが本拠地を置く大阪では、府と市が大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)地区をカジノ誘致の候補地として検討している。USJの参入計画が報じられると、橋下徹市長が「USJ経営者と信頼関係がない。他の業者にやってもらいたい」と宣言した。大阪市はUSJに貸している土地の賃料値上げをめぐって係争中だ。
そこでUSJが狙いを定めたのが沖縄だ。カンペル社長は、ブルームバーグのインタビューで、「沖縄県では名護市が市内に所有する自然動植物公園『ネオパークオキナワ』が具体的な開設候補地のひとつで、新しいテーマパークとIR(統合型リゾート)建設の両方の可能性を検討する」と語った。