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『母になる』視聴率惨敗で「脇役に食われる」エリカ様は主役無理?もはや『父になる』

文=西聡美/ライター
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「父になる」

 門倉が柏崎オートで働くことになるというトンデモ展開になってしまったが、大丈夫だろうか。第5話のこの展開だけを見ると、「そんなことはあり得ないですよね……」と一気に先が不安になってくる。門倉がなぜ殺人を犯したかよりも、このあり得ない爆弾の投下をどう料理するのかが気になる。

 門倉はよく見えないからこそ不気味であり、切なくもあったのだが、広にも結衣にもこんなに近づいてしまったら、視聴者の興味が半減することは否めない。柏崎家に近づけたことで門倉の存在感がどうなるのか、小池栄子の迫真の演技以上に脚本が肝になりそうだ。

 そして今回も結衣にはまったく心動かされず、陽一や西原莉莎子(板谷由夏)に心動かされた。広が結衣のために選んで買ってきた花束を見ても、ここが一番の泣き所だとは思いつつ、美しい笑みを浮かべるだけの結衣にはなんの感動もしない。莉莎子が娘とのやり取りのなかで動揺する一瞬の表情のほうがグッとくるし、柏崎家に関しては陽一のほうがよっぽど父親になっていく変化、夫になっていく本物の感情が伝わってくる。第5話は完全に「父になる」という印象のほうが強かった。

 門倉の接近で結衣が母親としての自分とどう闘っていくのか、ドラマの本質もきっとここにあると思うので、沢尻エリカは正念場である。ドラマも後半戦に突入するので、とにかく「結衣」にがんばってほしい。

 そして視聴率だが、これ以上数字を落とさないようにしなければ、全話平均視聴率も1ケタという悲惨な結果になりかねない。同枠は、前クールに吉高由里子が主演した『東京タラレバ娘』は11.4%、さらに前クールの石原さとみ主演『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』が12.4%と、全話平均2ケタ台が続いている。

 同年代の女優が主演してきたなか、まさかの沢尻で1ケタ落ちとなってしまえば、“エリカ様の危機”といえよう。
(文=西聡美/ライター)

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