渡辺直美主演の連続テレビドラマ『カンナさーん!』(TBS系)の第4話が8日に放送され、平均視聴率9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、ついに1ケタ台に転落。初回から2ケタをキープしていたが、雲行きが怪しくなってきたようだ。
同ドラマには、3日発売の『週刊文春』(文藝春秋)で不倫が報じられたばかりの斉藤由貴も出演している。斉藤演じる鈴木柳子と主人公の河東カンナ(渡辺)は、元姑と元嫁という関係性。カンナは柳子の息子・礼(要潤)と家庭を築いていたものの、礼の不倫によって離婚。しかし、柳子はその後も何かとカンナに嫌味をいうなど“ムカつく姑”として描かれてきた。
一方、カンナは礼との間に授かった息子・麗音(川原瑛都)を引き取り、シングルマザーとなって奮闘する日々を送る中、第4話では仕事でチャンスが到来。そんな時、住んでいる自宅の家主の都合で引っ越さなければならないことに。困惑するカンナに、礼は「うちの実家で同居するってのは、どう?」と提案。礼は不倫相手・草壁真理(シシド・カフカ)と別れ、カンナとやり直したいと考えていた。
だが、カンナは「都合良すぎるでしょ!」と大激怒。それでも、礼は「麗音もウチの親が面倒見てくれるし」「カンナだって同居すれば、もっと仕事の時間が取れるし、家賃もかからない」などと説得を試みたが、カンナが拒絶するのは当然だ。自分から不倫しておいて、今さら仕事や育児を盾によりを戻そうだなんて、馬鹿にしているのかと思う。
しかし、カンナも麗音のことを考え、“お試し”の同居生活に踏み切った。すると案の定、柳子はカンナが麗音に着せてきた服を着替えさせたり、カンナが毎日味噌汁を作っていないと知ると「お味噌汁っていうのは家庭の味の代表なんだから!」などと持論を展開し、「我が家のお味噌汁の味覚えて」といって仕事を中断させて台所に連れていったりと、大きなお世話を連発。
不倫疑惑の斉藤が、このタイミングでさらに反感を買いそうなキャラクターを演じなければならないのは酷だな……なんて思いも浮かんだが、物語の後半、実は柳子が“カンナのためにわざとムカつく姑を演じていた”と発覚する展開には、言葉を失った。
柳子は、カンナが「楽するより、少々辛くても楽しいほうを選択したい」と同居を辞退して帰った後、夫・徹三(遠山俊也)に「カンナさん、鈍いから。あれくらい厳しくしないと、大事なことに気づかないでしょ? 私が甘やかしたら、楽なほう選んじゃうと思って。あの人は、自分んちで自分らしくいるのが一番いいに決まってるじゃない」と、突然“いい姑”目線で語り出したのだ。
けれども、よく考えてほしいのは、柳子は今回だけカンナに厳しかったワケではないし、やっていたことも厳しいというより嫌がらせだ。前回だって、カンナと真理のルックスを見比べて笑っていたし、礼の不倫発覚時にも、柳子はカンナにも非があるのではないかとの考えを示していた。そんなムカつく姑が、今さら「実はいい姑でした」だなんて、キャラ崩壊にもほどがある。
はちゃめちゃ展開で視聴者を失うなか、今後はカンナの新たな恋愛関係も描かれるようだが、数字は挽回できるだろうか。
(文=美神サチコ/コラムニスト)