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『花のち晴れ』、『花男』続編なのに視聴率6%台目前…メグリン登場以降、耐えがたく退屈だ

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 杉咲花が主演を務める連続テレビドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)の第7話が29日に放送され、平均視聴率は前回から0.8ポイント減の7.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)だったことがわかった。第3話で9.6%を記録して以降、これで4話連続の下落となっている。

『花より男子』(花男)シリーズの続編という位置付けの同ドラマは、セレブの子女が通う英徳学園を舞台に、主人公の江戸川音(杉咲)や財閥の御曹司・神楽木晴(King&Prince/平野紫耀)、ライバル高校のホープ・馳天馬(中川大志)らが繰り広げる「痛快青春ラブコメディー」を描く作品だ。

 あらためて天馬(中川)と交際することになった音は、天馬から桃乃園学院への転校を勧められる。一方、人気モデルのメグリンこと西留めぐみ(飯豊まりえ)が転校してきたことで、英徳学園は急激に人気を取り戻す。

 同じ頃、晴とメグリンの父親同士の間で、2人を婚約関係にしようという話が進んでいた。だが、晴は自分を半人前扱いする父の言動に深く傷つき、家を飛び出してしまう。晴が行方不明になったとメグリンから聞いた音が道明寺の家に向かうと、やはり晴はそこにいた。邸内に招かれた2人は、晴が深く尊敬する道明寺司(松本潤)も最初から完璧だったわけではなく、1人の女性との出会いで過ちに気付き、立派な人間になったとの昔話を使用人たちから聞かされる――という展開だった。

 結論から言うと、第7話はかなり退屈で、ほとんど見るべき点がなかった。完全に中だるみしている。いや、むしろ終わった話をだらだら続けているような蛇足感が漂っている。良い意味で空気を読まずひたすら晴を応援しようとするメグリンは、悪くないキャラクターだと思うのだが、彼女が登場してからどんどんつまらなくなっているのも事実だ。脚本が新キャラをうまく扱うことができず、話が散漫になっているからだといえる。

 脚本がメグリンをうまく扱えていない証拠として、具体例をひとつ挙げたい。

 メグリンは、晴を「10点中5点だ」と蔑む晴の父親に我慢ならず、「晴くんの素晴らしさは数字なんかじゃ表せないのに!」と怒りをあらわにした。これ自体は全然悪くないのだが、問題はその後に流れた、道明寺邸をあとにした晴と音が別れ際に言葉を交わすシーンだ。自分が完璧でないことに苦悩する晴に、音は「その姿が神楽木の良さだと思うから、神楽木らしくいてね」と励ましの言葉を掛けた。

「これの何がいけないのか」と思うかもしれないが、順を追って解説しよう。どう考えても、ドラマとして重要なのは音と晴のシーンであるはずだ。なぜなら、音は主人公であり、メグリンは中盤から登場したストーリーの盛り上げ役にすぎないからだ。となれば、音が晴に送った「自分らしくいてね」との言葉は、彼の心に大きく響いたに違いない。というより、ドラマ上、そうでなくてはならない。

 ところが実際には、主人公である音がストーリー上重要な台詞を口にするよりも前に、メグリンがほぼ同じ趣旨のことを晴の目の前で口にしているのだ。これでは、一番の盛り上げどころだったはずの音の台詞の重要性が薄れてしまう。それどころか、“晴のありのままの姿を評価する人”という立ち位置ですら音とメグリンでかぶり合っている。

 飯豊まりえに「いい子」を演じさせなければならない、という大人の事情があったのかどうかはわからないが、台詞も立ち位置も主人公とかぶるようでは、キャラクターとしての存在意義がかなり怪しくなってくる。残り回数も少なくなっているが、ここをきちんと整理できなければ視聴率の上昇も厳しいのではないか。

 さて、天馬と晴の間でふらふらした態度を取る音に対しても、前回あたりから視聴者の批判が強まっているが、第7話のラストも視聴者をイラつかせるものだった。あとわずかで転校する、とさんざん引っ張っておきながら、「桃乃園には転入できません」としれっと言い放つ音と「何言ってんだ、こいつ」とでも言いたげな天馬のアップで締めたのだ。ドラマなのだから、ある程度の紆余曲折も必要なのはわかってはいるが、ここに至ってまだ天馬と晴を振り回す音には不快感さえ感じる。これでは、さらに視聴者離れを引き起こしそうだが、挽回の芽はあるのだろうか。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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