松本穂香が主演を務める連続テレビドラマ『この世界の片隅に』(TBS系)の第4話が8 月5日に放送され、平均視聴率は前回から0.2ポイントアップの9.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だった。
第4話では、懐妊の兆候がみられた北條すず(松本)だったが、病院に行って調べてもらうと、ただの栄養失調と環境によるストレスと判明。北條家の人々が残念がるのではないかと白木リン(二階堂ふみ)の元にいき、嫁としての義務を果たせなかったと相談すると、リンは自身の生い立ちを語りつつも「誰でもなんか足らんくらいで、この世界に居場所はのうなしゃせんよ」と語ってきかせた。
一方で、義姉の黒村径子(尾野真千子)も嫁いでしばらくは子どもができずに居場所がなく、息子の久夫(大山蓮斗)を授かったことでようやく居場所を見つけられたという。するとこの話を刈谷幸子(伊藤沙莉)と一緒に聞いていた堂本志野(土村芳)は、もし懐妊していなかったとしても優しくしてほしいとお願い。旦那が出征中の志野は子どもがおらず、堂本家では肩身の狭い思いをしているようであった。
息子を嫁ぎ先にとられ、娘の晴美(稲垣来泉)だけを連れて実家に戻ってきていた径子だったが、そこに息子の久夫が広島から一人で訪ねてきた。裁判をしてまで息子を取り戻すと息巻いていた径子だったが、久夫は黒村家の長男としての役目を果たすべく、径子には決別を言いに来たのだった。
子どもとは思えないほど気丈に振る舞う久夫を見て、その決断を母として受け止める径子だったが、妹の晴美は逆に「自分だけ取り合いになっていない」ことを気に病んでいたようだ。また、リンが北條周作(松坂桃李)の婚約者だったと気がついたすずは、自分は代用品なのではないかと悩むシーンもあった。
今回はこのように、嫁として、女として、長男として、子どもとしてなど、立場は違えども、それぞれが自分の「居場所」に悩み、与えられた役割を全うしようとしている様が描かれていた。特に子どもに対しては「子役の久夫なかなかいい。切ないなあ」「晴美の『うちのことは取り合わんの』にまた涙…全母が泣いた!と思う」「今回は久夫晴美にやられました」と、ホロリときた人が多かったようだ。
さらに、「尾野真千子良すぎる……」「尾野真千子が完全に主役食ってんだよなあ」「尾野真千子の演技が絶品」「尾野真千子劇場だった。子役の子達も演技上手いなぁ。オノマチと二階堂ふみが出てくるとぐっと画面が締まるというか、釘付けになるよ」「このドラマの何がいいって尾野真千子だろー」と、難しい役どころを演じている尾野を絶賛する声も多数あがっていたのだった。
次回はいよいよ現代パートで大きな動きがありそうだが、すずがいる世界とどうリンクさせてくるのかに注目だ。
(文=絢友ヨシカ/ライター)