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フジ記念碑的『SUITS』が視聴率1桁で大コケ!織田裕二と竹中直人の対決が薄っぺらい

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
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 織田裕二が主演を務める連続テレビドラマ『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)の第7話が19日に放送され、平均視聴率は前回から0.3ポイント増の9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。

 この作品は、勝つためには手段を選ばない敏腕弁護士・甲斐正午(織田)と、驚異的な記憶力を持つが弁護士資格を持たない鈴木大貴/大輔(中島裕翔)がバディを組み、数々の案件を解決していく弁護士ドラマ。第7話は、ホテルグループ同士の合併交渉を描いた。規模は小さいものの高い評価を受けている「桜庭リゾート」の代理人である甲斐が、合併を持ち掛けてきた大手ホテルグループから、いかに有利な条件を引き出せるかがテーマとなった。

 甲斐は大手事務所の代表・聖澤敬一郎(竹中直人)との交渉に臨む。一度は相手の弱みを握って優位に交渉を進めるが、安心したところでだまし討ちのように敵対的買収を仕掛けられ、対抗措置として奇策に打って出た――というストーリーが繰り広げられた。逆転に次ぐ逆転は法律ドラマの醍醐味であり、そういった意味ではセオリーにかなった作品だったといえる。

 ところが、視聴者の反応は必ずしも高くない。むしろ、「話が薄っぺらい」「竹中直人が大物ぶっていたわりにザコすぎた」「詰め込みすぎてつまらなかった」「爽快感が感じられない」など、批判の声が多い。メインストーリー自体は決して悪くないのに、視聴者になんとなく「つまらない」と感じさせてしまうのは、非常にもったいない。字数の関係で、これらの声をすべて分析することはできないが、今回は「詰め込みすぎ」との批判について考えてみたい。

「詰め込みすぎ」と感じた人が多かった理由は、ごく単純だ。甲斐が進める合併交渉のほかに、主に2つの話が描かれたからだ。ひとつは、受験の替え玉で金を稼いでいた鈴木の過去がパラリーガルの聖澤真琴(新木優子)にバレてしまう話。もうひとつは、竹中直人演じる聖澤弁護士が真琴の父であり、かつ真琴が所属している事務所の所長・幸村チカ(鈴木保奈美)と対立しているという過去の因縁話だ。これに加えて、甲斐と因縁がある弁護士がチョイ役で登場したり、鈴木の悪友がこれまたワンシーン登場したりと、それほど意味のないシーンが目立った。

 余計な要素を増やした結果、甲斐のバディである鈴木の活躍はほとんど描かれず、毎回話をかき回す役どころの蟹江貢弁護士(小手伸也)も今回はほぼ出番なし。メインである織田裕二と竹中直人の対決も今ひとつ盛り上がらず、ショボい結末に終わってしまった。これでは、「詰め込みすぎてつまらない」と言われるのも無理はない。

 そもそも論でいえば、主役の相棒が偽弁護士であるとの設定を本家のアメリカドラマ『SUITS』から引き継いだことがこのドラマの足かせになっているとの見方もできる。偽弁護士である以上、「バレるかバレないか」の話をどこかで描かなければ不自然だし、偽弁護士になったいきさつに関係して昔の悪友を登場させる必要も生じてくる。だが、今回も含めて「鈴木の経歴詐称がバレるかどうか」の話は毎回それほど緊迫感もないし、正直言ってあってもなくてもどうでもいい。

 また、鈴木の悪友・遊星(磯村勇斗)とその妹・砂里(今田美桜)については、視聴者の大半が「不必要だからもう出すな」と声を上げている。フジテレビは「『SUITS』の日本版」という看板が欲しかったのかもしれないが、そんな看板のせいで不必要な枠にとらわれるより、単純にベテランと若手のコンビによるオリジナルの弁護士ドラマをつくったほうが、よほどすっきりして見やすい作品になったのではないだろうか。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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