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乙武洋匡氏、6年越しの参院選出馬を表明 蓮舫・生稲晃子ら有力候補ひしめく大激戦区に参戦

文=佐藤勇馬/フリーライター
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YouTube「乙武洋匡の情熱教室 – Limitless OTO」より


 ベストセラー『五体不満足』(講談社)の著者で作家の乙武洋匡氏が19日、自身のYouTubeチャンネルでライブ配信を実施。今夏の参院選に東京選挙区(改選数6)から無所属で出馬すると表明し、6年越しとなる国政進出という目標を掲げた。

 配信では、乙武氏が冒頭で「私、乙武洋匡はこの夏に行われる参議院議員選挙において、東京選挙区からどの政党の支援も受けることなく、完全無所属という立場で立候補させていただくことを決意しました」と報告した。

 乙武氏は2016年7月の参院選東京選挙区に自民党から立候補予定だったが、同年3月に複数の女性との不倫関係を報じられたことが大問題に。なぜか傷ついているはずの妻(のちに離婚)が謝罪文を出すという対応にも猛批判が生まれ、出馬を断念した。

 乙武氏はそれを意識して「本当は、この気持ちを6年前にみなさんにお伝えさせていただくはずでしたが、自分自身の本当に情けない私生活における不祥事によって自らその道を閉ざしてしまいました」などと改めて謝罪し、その上で障がい者や性的マイノリティなどの人たちにとって「あきめなくていい社会」を実現したいと訴えた。

 公式サイトでは、手書きの決意表明を掲載。「たまたま恵まれたクジを引いた人は生きやすく、たまたま恵まれないクジを引いた人は生きにくい。そんな社会を、公平だと言えるでしょうか。スタートラインがあまりに違いすぎるのです。せめて同じ場所から『ヨーイドン』させてほしいのです」などと思いを綴っている。

 この出馬表明に対し、乙武氏の友人で元2ちゃんねる管理人の「ひろゆき」こと西村博之氏は「諦めた人が、諦めてない人の足を引っ張らない社会が良いなぁ、、、と」と、Twitterでアンチへの皮肉を込めたエールを送っている。

蓮舫・生稲晃子ら有力候補ひしめく激戦区に

 知名度は抜群の乙武氏だが、東京選挙区は全国屈指の激戦区だ。

 改選数6に対し、立憲民主党の蓮舫氏、公明党の竹谷とし子氏、共産党の山添拓氏、元バレーボール選手で自民党の朝日健太郎氏の現職4人が立候補を予定。さらに、自民党が擁立する元おニャン子クラブでタレントの生稲晃子氏、立憲民主党の松尾明弘氏、日本維新の会の海老沢由紀氏、小池百合子都知事が支援するファーストの会の代表・荒木千陽氏ら有力な新人も出馬を表明している。

 下馬評では「蓮舫氏、自民の目玉候補の生稲氏、固い支持基盤を持つ公明の竹谷氏の議席獲得はほぼ確実」といわれ、残り3議席の争いとなるとみられている。

 これだけ候補者が粒ぞろいとなると、党のサポートがなく組織票も見込めない「完全無所属」の乙武氏は苦戦する恐れがある。だが、ネットでの発信力は立候補予定者の中で乙武氏がダントツで、その“実力”は未知数だ。

 特に現職の朝日氏は「乙武氏の出馬の影響を最も受けるのでは」と指摘され、それ以外の候補者にとっても無視できない存在で、乙武氏が台風の目になるのは必至。さらに、れいわ新選組からの立候補を表明している浅草キッドの水道橋博士や同党の代表である山本太郎氏が東京選挙区に参戦する可能性もあると推察されている。

 乙武氏も含めて「タレント候補者」が集まっている印象もあるが、今夏の参院選の中で東京選挙区が“激アツ”の大混戦となるのは間違いないだろう。

佐藤勇馬/フリーライター

佐藤勇馬/フリーライター

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

Twitter:@rollingcradle

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