ピンとこない20代以下へ解説…中居正広と香取慎吾の共演が歴史的事件扱いの理由

　ダウンタウン・松本人志と元SMAP・中居正広がMCを務めるバラエティ番組『まつもtoなかい』（フジテレビ系）が、4月30日にレギュラー放送を開始する。その記念すべき初回ゲストとして、新しい地図の香取慎吾が出演するが、松本と中居、香取の3人の共演がまるで「重大事件」かのように騒がれていることに、特に10代～20代前半の若い世代のなかには理由がわからず、いまいちピンときていない人も多い模様。そこで、なぜ3人の共演が大きく注目されているのか、その理由を今さらながら「おさらい」してみたい。

　これまでに特番（2020年11月と22年2月）として放送されていた同番組は、松本と中居が「マッチングさせたい」有名人をゲストに招き、トークなどで盛り上がる番組。このたびレギュラー昇格となり、初回ゲストとして、中居と同じく元SMAPメンバーの香取が出演する。かつてジャニーズ事務所のトップアイドルグループだったSMAPは、16年12月をもって解散。あれからすでに6年が過ぎ、ジャニーズやSMAPのファンからすると、中居と香取の共演が叶うことは「歴史的な事件」といえるレベルの出来事なのだ。

　SMAPは中居に香取、稲垣吾郎、草なぎ剛、木村拓哉の5人で長らく活躍してきたが、16年初め頃に解散危機が報じられるようになり、ファンを動揺させた。同年1月18日、彼らは冠バラエティ『SMAP×SMAP』（フジ系）の一部を生放送に変更し、5人揃って騒動を謝罪。その後もメディアでは事務所内の派閥問題、またメンバー間の亀裂などが取り沙汰され、同年8月13日深夜に解散が発表されたのだった。

　同年末にグループが解散すると、17年9月には香取、稲垣、草なぎが同時にジャニーズを退所。先に事務所を離れていた元SMAPマネージャー・飯島三智氏と合流して新事務所「CULEN」に所属した3人は、「新しい地図」名義で活動するようになった。その後、彼らのメディア露出が激減した時期もあったが、19年7月、ジャニーズ事務所が民放テレビ局などに対し、3人を出演させないよう圧力をかける懸念があるとして、公正取引委員会から注意を受けていたことをNHKがスクープ。以降、徐々にテレビなどで彼らを見る機会がまた戻ってきた。

　20年3月末には中居もジャニーズを退所。翌月から個人事務所「株式会社のんびりなかい」の所属となって活動している。なお、ジャニーズからは円満退所したとみられ、独立後もジャニタレと共演する機会も多いが、元SMAPメンバーとの共演はなかった。

　ちなみに木村だけが今もジャニーズに残留し、主に俳優として活躍中。元メンバーらとの間で亀裂が生じていると報じられてきた木村は、特に香取との不仲説が根強い。そうした事情もあるのか、新しい地図のメディア露出が回復してきても、彼らは木村どころか現役のジャニタレとの共演にはなかなか至らない。ちなみに、草なぎは21年の「第44回日本アカデミー賞」授賞式で嵐・二宮和也と同じステージに立ち、それだけでも「歴史的瞬間」と話題になったものだ。

フジテレビと飯島三智氏のパイプ

　そして今回は『まつもtoなかい』で中居と香取が共演する。

「中居のほうが、ジャニーズに1人残った木村に配慮して『新しい地図』との共演は遠慮していたともいわれている」（週刊誌記者）

　中居と香取の関係性は決して悪くなかったとみられる。17年4月、当時香取がMCを担当していたバラエティ番組『SmaSTATION!!』（テレビ朝日系）にゲスト出演していた中居。グループはすでに解散していたが、メンバー同士の絆が感じられる共演だった。

「中居は新番組でタッグを組んでいる松本とは以前から親交深く、『この番組でなら……』と思い香取との共演に踏み切れたのかもしれない。一方で松本は、2019年末のバラエティ特番『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで！』（日本テレビ系）の『笑ってはいけない』シリーズで香取、稲垣、草なぎと共演。メディア露出が戻りつつあった彼らに、さらに注目の場を与えたようなかたちになった」（スポーツ紙記者）

　また、テレビ局関係者はいう。

「フジでは『SMAP×SMAP』や各メンバーが出演する連ドラが多く制作されていたこともあり、テレビ局のなかでもフジはSMAPともっとも関係が深かった局で、マネージャーだった飯島さんと局のパイプも太かった。中居と香取の共演がフジで実現した裏には、そういう事情も影響しているだろう。SMAP解散騒動後は連絡が途絶えていたといわれる中居と飯島さんが、今回の香取出演を機に再会を果たしたのかどうかも業界的には気になるところ」

　松本は、今月21日放送のバラエティ『人志松本の酒のツマミになる話』（フジ系）で、稲垣と再共演。そのなかで松本は新しい地図が『笑ってはいけない』に出演したと中居に話した時、「ありがとうございました」と言っていたなどと回想。中居も、松本も、それぞれの立場から新しい地図のことを思っている様子が伝わってくるようだった。

（文＝Business Journal編集部）