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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

認知症、5人に1人が発症か…サラダ油摂取で発症リスク増大か

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 もう一点、注意を喚起しておきたいのが「アミロイドベータ」という物質で、たんぱく質の一種です。アミロイドベータは脳内の情報伝達のプロセスで必然的に生み出される物質ですが、通常は分解されて脳の血管を通じて体外に排出されます。ところが、なんらかの理由により、この排出がうまくいかなかったり、アミロイドベータが過剰に生成されてしまうと、脳内に蓄積されることになり、次第に毒性を発揮して脳の神経細胞を破壊することになるのです。それも認知症の原因になっています。

 このアミロイドベータの害を防ぐには、どうしたらいいのかというと、大豆を食べればいいのです。実は、大豆に含まれている「ホスファチジルセリン」という成分が、アミロイドベータの排出を促すことがわかっています。ホスファチジルセリンは、細胞膜を柔らかく保つ作用があるのですが、それによって脳の細胞も不要な物質を細胞外に排出することができ、必要な栄養物質は摂り込みやすくなります。結果的に、脳内に有害な物質をとどめることがなくなり、正常に保つことができるというわけです。ホスファチジルセリンは人間の体内では合成できない物質なので、外から食事として摂取するしかありません。

 しかし、いくら認知症の予防に役立つからといって、むやみやたらに食べればいいわけではありません。これも、何度もお伝えしてきたことですが、豆類は穀類の2分の1くらいの摂取量がちょうどいいのです。

 食事はトータルに考えなければ、正しい答えに行きつくことができません。そのトータルな考え方を学んでいただけるように、筆者が主宰している「一般社団法人 日本オーガニックレストラン協会/JORA」では、『オンライン基礎講座』を開講することにいたしました。詳しくは、こちら(http://lp.organic-restaurant.jp/)をご覧ください。これまでのリアルの基礎講座も、もちろん継続しておりますが、なかなか足を運ぶことができなかった方々にも、ご受講いただけるようにしました。これを機会に、正しい食生活のあり方、最適な食事のメソッドを学んでください。

 認知症の予防だけではなく、生活習慣病全般を遠ざける食事とはどんなものなのか、ということを知っていただけることと思います。

 冒頭にも書きましたように、認知症は今や年寄りの病気とばかりはいっていられない状況です。日々の食事は、いつかやればいいや、というわけにはいかないのです。今すぐ始めても、なんら損失はありません。それどころか、食事の改革は、早く始めればそれだけ、早く恩恵を被ることができます。一日も早く、皆さまがJORAのメソッドを学び始めることを願っております。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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