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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」(3月17日)

市販の歯磨き剤は危険?歯周病の原因に?発がん性や毒性含有の恐れ

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
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 また、歯磨き剤を飲み込んでしまいそうな不安を抱いている場合もあるでしょうし、歯磨き剤が汚れを落としてくれるから、ブラッシングは短くてもいいだろうという心理も働きます。このようなことから、歯磨き剤を使うとブラッシングの時間はせいぜい数分、長い人で10分くらいです。その結果、歯垢が十分除去されず、最終的には歯周病が発生してしまうのです。

歯磨き剤は不要

 全国には数多くの歯科医院がありますが、患者の立場に立った治療を行っている医院は、必ず歯磨きの指導をします。その際、通常歯磨き剤は使わず、少し小さめの歯ブラシで歯と歯茎の間を小刻みにブラッシングするように指南するはずです。それが、歯周病を防ぐ最もよい方法だからです。

 筆者の場合、25歳の時に都内にある歯科医院の歯科衛生士から、歯磨き剤を使わないでブラッシングする指導を受け、60歳を過ぎた現在もそれを実行しています。そのお陰で、これまで歯周病になったことは一度もありません。歯茎が腫れたことも、ブヨブヨになったことも、出血したこともほとんどありません。そのため、歯科医院の医師からは「20代の歯茎をしている」と驚かれているほどです。

 ただし、歯磨き剤を使わずにブラッシングを続けていると、飲食したものによっては歯が黒ずんでくることがあります。筆者も、たまに黒ずんでくることがあります。これでは歯茎がきれいでも困りものですので、そのような時に筆者は石けん歯磨き剤を使うことにしています。「シャボン玉せっけんハミガキ」(シャボン玉石けん)です。これを使うと、黒ずみを取ることができます。この製品には合成界面活性剤や保存料などの刺激性物質は含まれていません。もちろんサッカリンNaも含まれていません。成分は、炭酸Ca(研磨剤)、水、ソルビトール(湿潤剤)、シリカ(研磨剤)、石ケン素地(発泡剤)、ベントナイト、セルロースガム(粘結剤)、香料(ペパーミント)です。

 ラウリル硫酸Naの代わりに石ケン素地が使われています。なお、ソルビトールは食品添加物としても使われている甘味料で、ぶどう糖やデンプンなどから作られています。もともと果物や海藻などに含まれている成分なので、安全性に問題はありません。また、ベントナイトは粘土の一種であり、陶磁器などに使われているものです。これも、その由来から安全性に問題はないと考えられます。

 歯磨きは、一般的に流通している歯磨き剤を使わずに行い、必要に応じて安全性を確認した歯磨き剤を使う――これが歯周病を防ぐ最大の秘訣といえます。ぜひ試してみてください。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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