1月12日、マイクロソフトが提供するウェブブラウザ、「Internet Explorer」(以下IE)の古いバージョンに対するサポートが終了した。少しわかりづらいのは、特定のバージョン以前のサービスのサポートが終了されたわけではなく、パソコン(PC)に搭載されているオペレーティング・システム(OS)との組み合わせによって「古い・新しい」が判断されるということだ。
具体的にいえば、まずIE 8以前のバージョンは、すべてのOSでサポート対象外となる。しかしIE 9に関しては、Windows Vista SP2およびWindows Server 2008 SP2上で利用する場合はサポート対象となるが、Windows 7上ではサポートされない。それぞれのOSでインストールできる最新のバージョンのみがサポートされるといえる。
より詳細な対応表は、マイクロソフトが公開している「Internet Explorerサポートポリシー変更の重要なお知らせ」で確認できる。当然のことながら、Windows XPやWindows 8など、サポートがすでに終了しているOSについては、どのバージョンのIEでもサポート対象外となる。
思い切ってアップデートしよう
まず、普段使っているPCに入っているIEのバージョンを確認し、もし古いバージョンになっているならば、アップデートを行うべきだろう。特にアップデートをしていない場合でも、Windows Updateを「自動実行」にしていれば、ほぼ最新バージョンになっているはずだ。
企業の場合は、不人気OSだったWindows Vistaが社内になく、サーバ向けOSを考慮しなければ、社内にはIE 11以降しかない「はず」だ。そうであれば、利用バージョンの確認や社内サポートの提供などはシンプル化できるだろう。
問題は、意図的に古いバージョンを使い続けてきた人々だろう。新しいインターフェースに慣れない、特定機能が使いづらいので新しいバージョンを使いたくない、といった理由であれば、いっそIE以外のブラウザに乗り換えることをお勧めしたい。ブラウザは、ハッキングなどインターネット経由で行われる攻撃の窓口になるため、サポートが打ち切られたものを使い続けるのは非常に大きなリスクになるからだ。
しかし、業務上必要があるから古いバージョンを維持してきた、という場合もあるだろう。たとえば、社内システムをIE経由で利用するために特定のバージョンでしか動作が保証されないようなケースが考えられる。そのような場合、思い切って改修を行うべきだろう。今のままのシステムで延命を図るのはリスクが大きいので、AndroidやiOSからも利用できるようにする良い機会だ。無理に使い続けていては、業務にも影響が出てくる可能性がある。