テレビ録画の予約をするのが面倒だと思う人は多い。そして、普通に働いている大人が、毎日番組表を睨んで録画するわけにもいかないので、予約不要でほぼ全ての番組を録画してくれる全部録画(全録)レコーダーに期待が集まるわけだ。
地デジのほぼ全チャンネルを録画する一般向けのレコーダーの先駆けとなったのが、東芝のレグザサーバー「DBR-M180」「DBR-M190」だ。
●ライバル機の登場
「M180」「M190」は、ブルーレイドライブも搭載し、ブルーレイビデオも楽しめるが、これらの直後に登場したバッファローのHDDレコーダー「ゼン録」は、ハードディスク(HDD)のみに録画する全録レコーダーで、ブルーレイドライブは搭載していない。
「M180」「M190」ともに地デジチューナーを6つしか搭載していないため、タイムシフト録画では、東京エリアなどでは地デジの全チャンネルを録画するには1つ足りなかったのに対して、「ゼン録」は7つの地デジチューナーで7チャンネル同時録画が可能と、全録レコーダーとしては、この初代レグザサーバーよりも優れていた。
さて、この初期の全録レコーダーたちの弱点だったのは検索性だ。多くの番組を録画できても、面白そうな番組を探す手間がかかっては面白くない。もっとも、ビジネス用途などで全ての番組を録画しておいて、後で必要な番組を探すような人たちには問題ないが、録画を活用するという面では、まだまだ物足りなかった感がある。
この後に登場したパナソニックの全部録画レコーダー、ブルーレイディーガ「DMR-BXT3000」は、この面を改良している。スタートメニューから、最新のニュースや天気予報、最近始まった新番組をダイレクトに再生できるほか、自分好みの番組のジャンルを登録しておき、すばやく一覧して再生できるのだ。しかし、タイムシフト録画用以外に、ユーザーが自由に録画できるチューナーを1つしか搭載しておらず、タイムシフト録画用に加えて2つのチューナーを搭載している初代レグザサーバーに遅れをとっている。
レグザサーバー「M180」「M190」の登場以降、ハード面・ソフト面で上回るライバル機種が登場して、取り残されてしまった部分があったわけだが、新レグザサーバー「DBR-M490」は、これらのライバルを意識して改良された。
●チューナーの進化
「M180」「M190」が、前述のようにタイムシフト録画用の地デジチューナー6つ+通常録画用に地デジ/BS/CSチューナー2つだったのに対して、「M490」では地デジ/BS/CSチューナー3つ+地デジチューナー3つをタイムシフトマシン用に搭載。「M180」「M190」が地デジしかタイムシフト録画できなかったのに対して、BS/CSも3チャンネル、タイムシフト録画が可能になった。加えて、通常録画用のチューナーも3つに増強され、ユーザーがより自由に録画できるようになった。
さて、自動的に録画を行うタイムシフト録画用チューナーは6つしか搭載していないのだが、通常録画用のチューナーのうち2つをタイムシフトに設定し、最大8チャンネルでタイムシフト録画を行うことができるようになったのが、新レグザサーバーのポイントだ。
これによって、「チューナー不足で、東京エリアなどにおいて地デジ全チャンネルを自動録画できない」という従来の弱点はなくなった。