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訴えられたらアウト! 知らないとマズい、SNSで「加害者」にならないための法律知識

新刊JP編集部
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 ツイッターなどで広がるデマや、ネット上に流れる犯罪予告。何気ないつぶやきや書き込みが大きな波紋を呼ぶこともあります。

 SNSやブログが完全に生活の中に定着してしまった私たち現代人は、もはやネットなしでの生活はできそうにありません。だからこそ気をつけておきたいネットとの付き合い方・例えば、あなたは、自分がしているツイートが罪に問われる可能性があることを、しっかりと分かっている上で発言をしていますか?

 『その「つぶやき」は犯罪です 知らないとマズいネットの法律知識』(鳥飼重和/監修、新潮社/刊)は、5人の弁護士によって書かれたネットの法律入門書。SNSやブログ上での具体的な相談事例を元に、自分や会社を守るための知識を学ぶことができます。

 ステマ、リベンジポルノ、クチコミによる名誉毀損…。ネットでは誰もが情報の発信者かつ情報のコンテンツになってしまいます。「自分には関係ない」と思っていても、他愛無いツイートや写真のアップロードのせいで、知らず知らずのうちに犯罪者になっているかもしれません。

 本書から「これも犯罪!?」とびっくりするようなケースをご紹介します。

「あいつはバカだ」と書き込んだら名誉毀損罪?

 高校生のAさんは、彼の友人・馬鹿田さんがテストで0点をとったので、高校について書かれている掲示板に「馬鹿田は本当にバカだよな」と書き込んだところ、他の友人Bが「あいつは国語のテストで0点をとった」とさらに書き込みました。

 これを知った馬鹿田さんは怒り、AさんとBさんを名誉毀損罪で訴える! と言うのです。名誉毀損罪は、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金を科される非常に重い罪です。さて、Aさんたちの場合には、名誉毀損罪が適用されるのでしょうか?

 本書58ページからの解説によれば、名誉毀損罪が成立するには「公然と事実を摘示」する必要があります(刑法230条1項)。そして、名誉毀損罪における「事実」とは、単純に「現象や事柄」を指す言葉であり、真実だという意味は含まれないと解説されていいます。

 だから、Aさんの書き込みは刑法上の名誉毀損罪にはならないそうです。これは少し意外な結果ですが、馬鹿田さんについての「具体的事実」を示さずに、“本当にバカだ”という「評価」を書いているに過ぎないと解釈されているのです。

 一方で、Bさんの書き込みは、馬鹿田さんが“0点をとった”という具体的事実を書いてしまっていますから、既にAさんが書き込んでいる「バカだ」という評価を考慮に入れれば、馬鹿田さんのことを知らない人も「馬鹿田の国語力が著しく低い」という印象を受けるでしょう。この場合、相手の社会的評価を低下させる書き込みと判断できるため、名誉毀損罪が成立する可能性があるというのです。

 ただ、Aさんも「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した」(刑法231条)ことになりますので、「侮辱罪」が成立する可能性もあります。侮辱罪の場合には刑罰が拘留(1日以上30日未満、刑事施設への拘置)または科料(1000円以上10000円未満の罰金)となるので、名誉毀損罪と比べるとだいぶ軽いと言えるのですが…。

 このケースでは、“「事実」を示すか「評価」を示すかによって、ずいぶんと法律の扱いは違ってくる”と締められていますが、普段私たちはあまり意識していないところですよね。

 あなたはこんなつぶやきをしてしまっていませんか?

 インターネット上では、ひとつの投稿が瞬く間に世界中に広まってしまいます。「まさか自分が被害者/加害者になるなんて」と思わずに済むようにしなくてはいけません。

 本書は私たちのすぐ身近にあるインターネット上のトラブルを分かりやすく解説してくれる一冊。参考にしてみてください。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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