最近、女性タレントの容貌に変化が出てきている。その共通点にお気づきだろうか?
筆者が最初に気づいたのは、眉毛の変化だ。いわゆる「太眉」のタレントが増えてきているのだ。これまで細眉だったタレントも、太眉に変える傾向がある。
また、茶髪を黒髪にしてイメージチェンジするタレントも増え、口紅は真っ赤な色が目立つようになった。筆者はバブル時代を知る世代だが、これらの変化を見るにつけ、キラキラ光ったバブル時代の女性たちを思い出す。「細眉」「茶髪」「目立たない口紅」は、バブル崩壊とともに始まったトレンドだ。その後、20年以上も続いていた女性の容貌に、変化が訪れたのだ。
「太眉」「黒髪」「赤い口紅」は、景気回復のサインといえるのではないだろうか?
事実、5月20日に内閣府が発表した2015年1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値は前期比0.6%増で、年率換算で2.4%増となり、予想を上回る数字となった。また、厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.17倍となり、1992年3月以来、23年1カ月ぶりの高水準となった。
昨年の消費税増税によって落ち込んだ個人消費も、前期比0.4%増と3四半期連続のプラスとなり、消費も持ち直してきている。
消費者のトレンドを定点観測しているインターネット調査会社マクロミルの「MACROMILL WEEKLY INDEX」から、「使ったお金」を見ると、4月の第2週あたりから、前年の消費金額を上回る週が増えてきている。景気が回復基調にあることは間違いないだろう。
女性の容貌が好景気のトレンドにシフトしているということは、男性に変化が訪れるのも時間の問題である。バブル時代には、キラキラ光る女性を喜ばせるため、男性が背伸びをしてでも見栄を張ったものである。
現代の男性は「草食男子」といわれるほど、女性に消極的といわれてきたが、景気が上向いてくれば、そんな草食男子たちも目覚めるだろう、と筆者は考えている。そうでなければ、バブルの生き残り世代の男性たちに市場を奪われてしまうかもしれない、と若い男性に警告しておこう。
恋愛で消費が増える?
冗談はさておき、筆者はかなり真面目に「恋愛による日本復興論」を長年説いている。人は恋愛をすると、必然的に消費を増やすようになる。服や化粧品、食事や旅行、イベントや車、プレゼントなど、普段の消費額を大きく上回る金額を使うようになる。
仮に、20~40代(約4700万人)が、恋愛関連で月に1万円を使うようになると、年間5兆6000億円も消費が増えることになる。GDPを実に1%も増やすことになるのだ。
もちろん、すべての人が恋愛するというのは非現実的な話だが、恋愛活動による消費ポテンシャルが、無視できないほど大きいということを理解してほしい。
バブル時代は、まさにそんな時代だった。景気が絶好調で、恋愛も絶好調だった。そのパワーが日本経済を押し上げていたのだ。景気の変化に一番敏感なのが女性である。その女性が変化を見せ始めた今、次に変化するのは男性である。
(文=鈴木領一/ビジネス・プロデューサー)