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これに対し、民主党のマニフェストは、「専守防衛と平和主義を堅持する」との大見出しを立て、立憲主義にも触れて争点化を図った。しかし、同党が国民の信頼を回復していないこともあり、「アベノミクス」の大合唱の前に霞んだ。
かくして、与党による争点隠しは成功した。このように、選挙の前の時点で「問題の本質」をしっかり国民に伝え、きっちり争点化できなかったことが最大の敗因ではないか。
現政権と異なる国民の意見が国政に反映されるためには、やはり選挙が大事だ。となれば、次の国政選挙の時までに、「問題の本質」についての理解をさらに広げ、「立憲vs.非立憲」という明確な対立軸を提示し、国民の関心を高めていくこと。そのうえで、国民が選択しやすいような野党の選挙協力を構築すること。この2つは不可欠だろう。
後者に関しては、法案が可決・成立した直後、共産党が「国民連合政府の実現」を呼びかけ、来年夏の参院選挙などで他の野党との選挙協力を行う方針を示した。政権の課題はさまざまあり、共産党との連立政権を思わせる「国民連合政府」との言葉は、いくらなんでも唐突感がある。ただ、国政選挙で同党が柔軟な姿勢を示したのは画期的といえよう。
また、維新の分裂などで、野党再編が行われるのであれば、民主党はこの際、現在の党名にこだわらず、「立憲民主党」を名乗ってみたらどうか。そうすれば、党名そのものが、問われるべき争点を広く伝える力になるのではないか。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)
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