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中国軍レーダー照射事件は氷山の一角?暴発懸念もくすぶる自衛隊員たちの本音

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「公明党というよりも、その支持母体である創価学会への根拠のないアレルギーです。公明党に限れば平和路線を表看板にしている政党。また創価学会も平和路線、それでいて中国や韓国に近いというイメージがある。これが自衛官の一部には相いれないのだろう。もっともそれは自衛隊という組織ではなく、あくまでも、ほんの一部の自衛官個人でというもの」

●士気高まる海上自衛隊内部

 しかし第一線勤務の自衛官何人かの話を聞く限り、「ほんの一部「ではなく、「大勢」のように思われるのは気のせいか。現在の公明党代表を務める山口那津男参院議員は、細川内閣時、防衛政務次官として旧防衛庁に入り、防衛省・自衛隊とは縁が深いにもかかわらず、なんとも不思議な話である。

「今、海上自衛隊の士気はとても高い。公明党のせいで、国防軍化の話が潰れたり、尖閣諸島や竹島を取り巻く状況が、これ以上、悪化したらどうしてくれますか? 隊員のなかには『尖閣諸島と竹島をすぐにでも取り返すべく出動したい』と語る者もいる。もし隊員が痺れを切らして暴発したら、我々は公明党のせいだと言い張りますよ」(航空機搭乗勤務の現役1等海曹)

●最近の自衛隊は思い上がっている?

 かつて海上自衛隊は、護衛艦「あたご」事故、護衛艦「しらね」火災といった不祥事にまみれた。そして、東日本・東北の震災での活躍で国民から高い評価を得た。他方、近年は改善されたものの、三自衛隊のなかで自殺者が最も多い時期もあった。最近では、SNSによる情報漏洩等の不祥事が頻発している。

 ある海上自衛隊幹部に、前出の「隊員が暴発したら公明党のせいだと言い張る」という現役自衛官のコメントを伝えたところ、次のように応えた。

「長年自衛隊は、国民の皆様から理解されない時代が続いた。いくつかの不祥事にケリをつけ、その矢先、先の震災では、国民の皆様から多大なる評価をいただいた。そこから、どうも浮き足立っているところがある。現役自衛官が、たとえ私的な立場でも、軽々しく『暴発したら、ある政党のせいだ』と恫喝紛いのことを口にするとは、なんとも言葉もない。最近のSNSでの不祥事案頻発も、震災で命を張った自分たちだから、何をしても許されるという思い上がった意識があるのかもしれない。国民の皆様には申し訳ない」

 この幹部の言葉が、国防軍化構想や中韓との緊張関係で揺れ動く自衛隊の今を、物語っているのかもしれない。
(文=秋山謙一郎/経済ジャーナリスト)

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