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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

なぜ突然、ミツバチは大量死したのか?女王蜂だけを残し、死骸も発見できず

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
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 これらを詳しく分析した結果、被害の77~90%は、巣箱を置いた場所(蜂場)の周辺で水稲が栽培されている状況下で発生し、80~85%の被害は、水稲のカメムシ防除が行われる時期(水稲の開花直前から開花後2週間程度の時期)に発生していることが明らかになった。さらに、57~67%は、被害の発生直前に水稲のカメムシ防除に使用される殺虫剤が、蜂場の周辺の水稲に散布されていたことがわかった。

 つまり、ミツバチを大量死に追いやっていたのは、カメムシだった。カメムシを駆除するために散布した殺虫剤が、結果的にミツバチの大量死を招いたのだ。農水省はミツバチに対する毒性が強い殺虫剤には農薬の容器のラベルに、蜜蜂に関する注意事項を付すことを義務付け、さらには蜂場の周辺の農家に対して、注意を呼び掛けている。

 カメムシとミツバチのなんとも奇妙な関係である。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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