政府は4月を「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」と定めている。女子高校生の性被害防止の啓発にHKT48・指原莉乃の起用が発表されたものの、その人選をめぐり批判の声が上がっている。
若者の生活環境が大きく変わる4月。若い女性の性被害を防ごうと、月間内には啓発シンポジウムや街頭キャンペーンが行われる。ポスターには「ほんっとに悪質!! だから知っておいて、その手口。」というコピーとともに指原の姿があり、広報動画では「イヤだと思ったら、やらなくていい。逃げていい」などと訴えかけた。
これについてインターネット上では、「握手会とかはJKビジネスじゃないの?」「芸能界でJKビジネスしてるのがAKBグループだと思ってた」「指原が悪いわけじゃないけど、AKB商法のイメージがなぁ」など、拒否反応が続出している。
また、政府の人選について、「NGT48の暴行事件が解決していないのに、AKBグループから起用するのはどうかと思う」「ブラックジョークのつもりでなければ人選を間違えているとしか思えない」「政府はAKBグループから複数のAV出演者が生まれていることをわかってるのか?」と疑問の声も相次いでいる。
批判が起きるのも無理はない。やはり話題の中心は、“若い女の子”をウリにした商法。たとえば、AKBグループではメンバーの握手会を行っているが、参加にはCD購入が必須となる。定期的に開催されている総選挙の投票券も同様で、過去には投票券欲しさにCDを大量購入した人が山中などに不法投棄するといった問題も発生した。
AKBグループは女子中高生を多く採用していることから、そのメンバーをJKビジネス被害防止に活用することに違和感を持つ人が多いようだ。
AKBの前回の総選挙で1位を獲得したSKE48・松井珠理奈に至っては、デビュー時は小学6年生の11歳だった。また、AKABグループはセーラー服を模した衣装が多く、ダンス時にスカートの中からインナーが見えるパフォーマンスも「性的搾取ではないか」と指摘を受けている。
NGT48・山口真帆が受けた暴行被害の余波も、依然として大きい。事件が明るみになった当初から運営と山口の証言は真っ向から対立しており、一向に解決策を講じない運営を山口が批判。また調査が行われている最中に、NGT48劇場前支配人らが酒席に興じていたことが判明して「無責任すぎる」と非難が殺到した。さらに、第三者委員会の調査結果発表時には、山口がリアルタイムで反論ツイートを行うなど、事態収束の気配はまったく見えていない。
AKBグループからの卒業が間近に迫っている指原は、類まれな発信力を持ち、若者からの好感度は高い。政府はそこに期待しての起用とみられるが、その発信力をフル活用して被害防止のための啓発につなげてほしい。
(文=編集部)