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●苛政は虎よりも猛し
――「痛いしっぺ返し」とはなんですか?
江口 松下翁は「一揆が起こる」とも言っていました。しかしそれは究極の段階であって、なかなかそこまで至らない。国民はたいてい、圧政にもじっと耐えているものなのです。ただこれを政治家は見逃してはいけないのです。
礼記に「苛政は虎よりも猛し」という言葉がありますが、これも松下翁がよく引用した言葉でしたね。孔子が墓の前で泣いている女性を見かけ、その理由を尋ねると、女性は舅と夫と息子が次々と虎に喰い殺されてしまったと答えます。「それならば、こんな危険なところからすぐさま引っ越しなさい」と孔子が進言したのですが、女性は「この地には悪い政治がない」と述べ、頑として引っ越しに応じようとしなかったのです。
これは安全な土地で重税にあえぐくらいなら、虎に食べられる危険にさらされても税金が軽い場所に住むほうがましだという例えですが、庶民の生活が厳しいという現実は今も変わりません。政治家はそうした「声なき声」にも真摯に耳を傾ける必要があるのです。
もし松下翁が生きていたら、現在の政治家に対して「国民のために知恵を絞り身を削り、苦労をいとわず努力を惜しむな」と言ったでしょう。正しく求めるならば、必ず道は開けるものです。
(構成=安積明子/ジャーナリスト)
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