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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

無駄な保険見直しで年35万円も出費削減!独身者や子どものない共働き夫婦、死亡保障は不要

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

 結婚していても子どもがいないなら、保障の考え方は独身者と同じでいい。つまり死亡保障はいらず、入院に備える医療保険だけでいい。夫婦2人で保険の見直しをすれば、年40万円以上の支出減になる可能性もある。

子のいる共働き夫婦は、掛け捨てで小さな死亡保障を手当

 子のいない共働き夫婦は医療保険だけで十分、死亡保障はいらない。でも共働きでも子どもがいれば、手頃な死亡保障(亡くなった時に保険金が払われる)を付けておくと安心だ。親の片方が亡くなった時、生活には困らなくても収入が減ることで、貯金がしにくくなる。そのため、大学でかかる教育費分の保険に入っておくといい。想定している進路にもよるが、子どもひとり当たり1000万円くらい。期間は子が20歳になるまでくらいでいいだろう。

 10~20年など一定の期間、死亡保障を手当てする掛け捨ての保険を「定期保険」という。これもネットで手続きできるものが手軽で、しかも保険料が安い。

 たとえば、ライフネット生命保険の場合、35歳で保険金額1000万円、保険料払い込み機関20年の定期保険に入ると、月額保険料は男性2385円、女性1982円だ(女性のほうが長生きするので保険料が安い)。

 先の医療保険にこの定期保険を加えると、保険料の月額合計は5500円程度。もともと入っていた月2万円の保険を解約してこちらに入り直せば、月1万4500円の節約、年間17万4000円、夫婦で約35万円の支出減になる。

保険見直しの注意点

 保険を見直す時に注意したいのは、新しい保険の保障がスタートしてから、古い保険を解約するという点である。病気の治療中だったり、治療が終わって5年以内の病気があると、新しい保険に(すぐには)入れない場合がある。条件は保険の種類や保険会社によって違う。

 この場合は解約を急がず、新たに保険に加入できるようになってから手続きをする。また、古い保険の保障が切れて、新しい保険がスタートする前に、入院や死亡という事態が起こりえる。確率は高くないが、万一に備えるのが保険ということを考えると、このセオリーは守りたい。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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