●依然厳しいシャープ、課題は財務体質の強化 高橋社長「増強策を現在考えている」 – Sankei Biz(8月2日)
太陽電池事業が黒字に好転、リストラによる人件費などの固定費削減が功を奏し、当初赤字を予測していた4〜6月期の連結決算が30億円の黒字に転換したシャープ。最終損益は179億円の赤字となったものの、7~9月期も業績改善傾向は続くと見込んでおり、9月中間期の連結業績は150億円の営業黒字を予測している。しかし、自己資本比率が6%と、財務体質は依然として脆弱。今期中の資本増強が必要との認識を示している。
●シャープの家電「おしゃべり」に…人工知能搭載 - YOMIURI ONLINE(7月10日)
これから一気に業績回復への道を歩んでいきたいシャープ。同社が、今、最も力を入れているのが、人工知能「ココロエンジン」を搭載した家電群だ。8月には、同社の人気オーブンレンジ「ヘルシオ」に、しゃべる機能を搭載。操作に対するアドバイスやアシストなどを行う。ほかにも、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどで「しゃべる家電シリーズ」を順次発売していく。
すでにロボット掃除機「ココロボ」に、このおしゃべり機能が搭載されており、消費者からは「親しみがわく」という声が寄せられている、と同社。だが、はたしてこのおしゃべり機能、いったい、誰がなんのために求めているのだろうか……。
●シャープから出資要請はまだない、提携は深めたい=LIXIL社長 - Reuters(8月5日)
シャープに出資する有力候補として期待されているLIXIL。2011年にはシャープと業務提携を行い、省エネ住宅向けの住宅用設備を共同開発する会社を共同出資によって設立している仲だ。しかし、「まだ正式に要請を受けていない」とLIXILの藤森義明社長。「要請があったら、きちんと考える」と前向きな姿勢こそ示しているものの、「シャープの再建には興味がない」と、あくまでもシャープの救済目的ではなく、提携事業の強化を目的とした出資という条件付きのようだ。
●シャープを見切った鴻海の“皇帝” 日本に研究所新設の舞台裏 - ダイヤモンド・オンライン(7月11日)
シャープへの出資交渉が暗礁に乗り上げた台湾の鴻海グループが、日本国内に「フォックスコン日本技研」という独自の研究所を新設。元シャープの矢野耕三氏を牽引役として動き始めている。矢野氏は亀山工場の立ち上げを指揮し、「液晶のシャープ」黄金時代を築き上げた人物。もともと、シャープと鴻海のつなぎ役として期待されていたものの、交渉が暗礁に乗り上げたことをきっかけに、研究所を設立。シャープやパナソニックなどを辞めた技術者を採用し、先端ディスプレイの開発を進めている。
かつて、優秀な社員がヘッドハンティングによって大量に流出した苦い過去も持つ鴻海グループ。今後の成長のために、自らの手で日本の優秀な人材を集めることが狙いのようだ。「日本固有のルールで、ゆっくりとキャリアの階段を上るのは嫌だという人には、新卒の学生でも開発環境とチャンスを用意する」と鴻海グループ会長の郭台銘(テリー・ゴウ)氏。最大顧客であるアップルの成長も鈍化しており、次の時代の成長戦略が求められている。
(文=萩原雄太/かもめマシーン)