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中3で月収1千万円、キメラゴンの義務教育論…「経営者には不要」「社会の歯車のルール」

文=道明寺美清/ライター
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キメラゴン

 コロナ禍が長引き、人との接し方や働き方なども“ニューノーマル”となった。これまでの既成概念も大きく変化し、教育のあり方も多様化を見せ始めている。

 そんな時代を象徴するような17歳のインフルエンサー、通称「キメラゴン」が注目を浴びている。中学生の頃から不登校となり、自宅でブログを始めると、瞬く間に月収1000万を達成し、現在はさらにビジネスの幅を広げている。そんなキメラゴンの過去から現在、そして未来について話を聞いた。

 不登校となった彼がネットビジネスのスタートとなるブログを始めたのは、わずか14歳の時だった。「不登校」というワードはセンセーショナルに取り上げられがちだが、彼にとっての不登校は世間がイメージするそれとは異なるものだったと語る。

「不登校は僕にとって『ブランディング』のひとつでした。中学からビジネスを始めようと考えた時、将来『不登校』というワードが自分にとってプラスに働くと考えました」

 あえて不登校を選び、その結果、自身のブランディングに成功したと話す。ブログは順調に伸び、中学3年生の頃には月収1000万円を達成した。

「不登校の中学生が始めたビジネスで月収1000万円を稼ぐことは、僕にとっては難しいことではありませんでしたが、社会から見ると稀有な存在であって、インパクトがありました。不登校を決めたことは正解だったと思っています」

義務教育とは

 義務教育によって、社会において自立的に生きる基礎を培うわけだが、中学時代を不登校で過ごし、今になって学ぶべきことを学べなかったと感じることはないのだろうか。

「僕は、ビジネスをする上で経営者です。経営者になるために必要なことは義務教育にはありません。義務教育で学ぶ社会のルールは、社会の歯車になるためのルールです。そのゴールは、経営者に雇われる人材になるということです。僕が経営者になるという道を選んだ時点で、彼らが言うルールとは、僕が彼らに守らせるルールなのです」

必要な教育は人それぞれ

「義務教育に限らず、高校や大学へも、『なぜ行くのか』と考えたときに、行かなくてもいい人もいるわけです。ただ、それは結果論であって、本来は学校へ行くことが不要な人でも、在学中に答えがわからないから安全策をとって行くことが多いと思います。僕は、必要か必要じゃないかは、その人が決めることだと思うんです」

 あくまで“キメラゴンにとっては義務教育は不要”であり、それがすべての人にとって不要であることを示唆しているのではない。

「もちろん、義務教育のすべてを否定しているわけではありません。義務教育が必要な人もいますし、みんなが僕のようにできるとは限りません。僕と同じようになる必要がない人も大勢います。目指す方向性によって必要な教育は人それぞれだと思います」

 では、経営者を目指したキメラゴンにとって必要な教育はなんだったのだろう。

「経営者としてのルールは、経験の中で学んでいます。必要なことや興味があることは、勉強しています。でも、ビジネスをする上で技術や資格が必要な時は、そういう人材を雇えばいい。僕がすることは、能力がある人をその能力が発揮できる場所や環境に置いてあげることなんです」 

ノブレス・オブリージュ

 現在は、新たなビジネスに向けて準備中だという。

「今は、ビジネスを一緒にやっていく人材、仲間を集めているところです。いつも考えているのは、僕の周りの人の能力をどう引き上げるかということ。そして、そのために大事にしている考え方があって、“ノブレス・オブリージュ”の理念です」

 ノブレス・オブリージュとは、富裕層や経営者などが規範とすべき哲学である。

「元はフランスのことわざで『貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ』という意味ですが、富裕層や成功者には社会的責任と義務があるということ。僕は、周りの人や社会にとって良い影響を及ぼす存在でありたいと、いつも考えています」

幸せはお金ではない

「お金を稼ぐというのは、あくまで前提条件なんですよね。幸せじゃないというのは、お金のせいと思う人が多いのかもしれませんが、そういう人は、誰と何をしている時が幸せかを自分がわかっていないんだと思います。『その人がどうあるか』ということが大事で、幸せはお金ではないんです」

 メディアで取り上げられることも多く、SNS上ではファンも多いがアンチも多い。アンチからは、辛辣な言葉も散見される。敏腕経営者とはいえ、まだ17歳。傷つくことはないのだろうか。

「気にしないですね。成功かどうかというのは、長い尺でないと見られない。長い人生で失敗することがあっても、生涯を通して成功すればいい。もし、これから先、僕が事業に失敗しても、また再起する自信があります。

 大事なのは周りの評価ではなく、自分自身の自分への評価です。自分はどんな状況になっても頑張れるという圧倒的な自分への信頼があれば、失敗は怖くありません」

 コロナによって、これまでの習慣や常識は大きく変わった。キメラゴンの「幸せはお金ではない」「失敗は怖くない」という信念こそが、ニューノーマル時代を生き抜くヒントかもしれない。
(文=道明寺美清/ライター)

道明寺美清/フリーライター

道明寺美清/フリーライター

薬剤師として26年間医療に関わった経験から医療ジャーナリスト、美容研究家としても活動。夕刊フジ、ビジネスジャーナル等で連載を持ち、ペンネーム / 道明寺美清でも多数執筆をこなす
道明寺美清オフィシャルブログ

Twitter:@eri_yoshizawa_

Instagram:@medical_journalist_erie

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