田口被告の謝罪ファッションの“問題点”
土下座以外はおおむね問題なかったものの、土下座ですべてを台無しにしてしまった田口被告だが、その服装についても見ていきたい。
着用していたスーツも「おおむね問題なし」だ。以前の記事で、NGT48の運営会社であるAKS・松村匠氏の会見時の問題点について指摘したことがある。山口真帆に対する暴行事件を受けての謝罪会見だったが、松村氏のいかつい腕時計が目立っていたのだ。また、前述の浦田氏の会見では、普段は明るくしていた髪を黒く染め、普段はかけていない眼鏡をかけていたせいで「謝罪会見のコスプレ」っぽくなってしまっていた。
田口被告の服装に、松村氏や浦田氏のような“ノイズ”はない。土下座だけがまずかったのであり、その点がつくづく悔やまれる。
あえて指摘するなら、浦田氏同様にワイシャツの襟先がスーツに隠れず出てしまっている点が挙げられる。アイドルのスーツ風衣装では、襟先が隠れていないデザインも多かったりする。そのため、これが「よくないこと」という認識が当人になかったのかもしれない。ただし、「ビジネスファッション」では襟先は隠れるのが正解だ。これは、特に若手ビジネスパーソンで間違えている人が多い。
また、もう一点、土下座の直前まで両手を体の横に伸ばしてつけていたので気付いたのだが、田口被告のスーツの袖先からはワイシャツが出ていなかった。本来、腕をだらんと下げた状態でスーツのジャケットの袖の先からワイシャツが1センチほど出ているのが、正しい「スーツとワイシャツの長さの関係」だ。スーツの袖の先から何センチもワイシャツが出すぎていても成長期の中学生の制服みたいで間抜けだが、見えないと清潔感に欠けてしまう。
「ワイシャツの袖はスーツの袖より1センチほど長くする」には、見た目だけでなく実用的なメリットもある。ワイシャツが素肌とスーツの間にないと、肌はスーツに直接くっつくことになる。洗濯したことのある人ならわかるはずだが、ワイシャツの手首の汚れというのはかなりしぶとい。ワイシャツなら洗えるが、スーツは頻繁にクリーニングに出すものでもない。素肌の汚れがワイシャツなしで直接スーツにくっついてしまえば、見た目が不潔っぽいだけでなく、スーツが早く傷み、その寿命をも縮めてしまうのだ。
ぜひ、みなさんもスーツを着た状態で腕をだらんと下ろし、ワイシャツが1センチほど袖の先からきちんと出ているか確認してほしい。スーツの袖の長さはトレンドもあるが、「手首から手」に切り替わるところくらいにあるといい。
手の長さによっては、体型に合わせるとスーツの袖の長さが足りなかったり余ったりしてしまうという人もいるはずだ。そういう人は、袖の長さ変更に融通のきくイージーオーダーを利用するのもいいだろう。
(文=石徹白未亜/ライター)
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』 「使えそうにないな」という烙印をおされるのも、「なんだかできそうな奴だ」と好印象を与えられるのも、すべてはスーツ次第!