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なでしこジャパンに学ぶ、ヒラ社員のキャプテンシーが組織を勝利に導く!

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『ほまれ』(河出書房新社/澤穂希)

 サッカーシーズンがやってきた。今年は6月にはロンドンオリンピックもある。男女ともに無事出場決定を果たしたが、なんとしても「なでしこジャパン」には、2011年のワールドカップに続けて"V2"を達成してほしい。

 Jリーグでもプロ野球でも、優勝チームが翌年にガタガタになることは少なくない。しかしこうした事態は、監督の過去の成功体験に酔うことのない戦術の刷新と、慢心を打ち砕く言動で避けられる。その点、佐々木則夫監督の一段と厳しい指揮ぶりは期待を抱かせるのに十分だ。

 ところで、佐々木監督がいても澤穂希選手がいなかったら、果たして「なでしこ」は世界一になれただろうか? 

 もちろん、佐々木監督の采配も見事だった。彼が目指し、そして実現したフォーメーションとは、これまでのマン・ツー・マン(1対1)の守備に代わり、目まぐるしいポジション・チェンジが必要なゾーン・ディフェンスであり、個々の選手の高度な創造性が要求されるものだった。当初選手たちは混乱し、とうとう表立って、

「ノリさん(=佐々木監督)、これは私たちにはムリ!」

という声が噴き出したのである。

 監督は指示を出し、レクチャーをし、ビデオで説明することはできても、そこから先はどうすることもできない。そこで澤キャプテンはチームが崩壊しそうになったとき、「私の背中を見て!」とその戦術を実行して見せ、他の選手を巻き込んだのである。

 この役割を、ピッチにいない監督は逆立ちしても担うことはできない。監督にとってもチームにとっても、彼女はまさに救世主だった。彼女のそのような姿勢に、佐々木監督は鳥肌を立てて感激したという。

勝因は、澤が佐々木監督の"弱み"につけ込んだから!?

 実をいうと、スポーツの監督はいつも孤独でびくびくしながら、天に祈る気持ちで選手の誰かが自分の考えることに呼応してくれるのを待っている。会社でも、部長や課長はいくら強がっていても、このように"弱い立場"にいるのだ。

 サッカー選手でも会社のヒラ社員でも、チームを強くするために、自分の給料を上げるために、監督や管理職のこうした"弱み"につけ込んで、監督や管理職以上に「チームを動かす人」になれるチャンスがここにあるのだ。