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「大阪で圧倒的な力をもつ高島屋と阪急が手を携えて圧力をかければ、有名ブランドが三越伊勢丹に出店するわけがない。高島屋と阪急に睨まれたら、大阪では商売ができないからだ。開業前の攻防で、高島屋=阪急連合が、三越伊勢丹の出鼻をくじいた。有名ブランドを集めきれなかった時点で、勝負はついていたのです」(前出の百貨店業界の最高首脳)。新宿の仇を梅田で討ったのだ。
結局高島屋は10年3月、H2Oとの経営統合を白紙撤回した。破談は百貨店業界では織り込み済みだった。「三越伊勢丹封じが成功したら、鈴木社長はH2Oとの統合を解消する」と、誰もが信じていた。
JR大阪三越伊勢丹の2年目はさらに厳しい。梅田地区で関西随一の集客力を誇る阪急百貨店うめだ本店が今年11月に全面開業する。売り場面積は、建て替え前の約6万平方メートルから約8万平方メートルに拡張。西日本最大の百貨店が誕生する。開業初年度の売り上げ目標は1900億円(阪急メンズ館を含む、阪急うめだ本店全体の売り上げ目標は2130億円)。
対するJR大阪三越伊勢丹の今期(13年3月期)の売り上げ目標は340億円。新ブランド導入による品揃えを拡充して巻き返しを図るとしている。しかし、伊勢丹流のファッション路線をさらに純化させても、成功はおぼつかない。「東京・新宿の京王百貨店と同じ路線を取って、シルバー向けのブランドを集めたデパートに特化したほうがいいのではないのか」。半ば皮肉混じりにこう指摘する流通担当のアナリストもいる。
はっきりしているのは、このままだとJR大阪三越伊勢丹は再生できないということだ。
(文=編集部)
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