(映画『へルタースケルター』公式サイトより)
またも芸能界に薬物汚染疑惑が持ち上がった。その主役は、女優・沢尻エリカだ。
事の発端は、「週刊文春」(文藝春秋/5月31日号、6月7日号、6月14日号)の記事である。記事によると、沢尻は中毒状態になるほど大麻を常習したことが原因で、前所属事務所・スターダストプロモーションから契約解除されていたという。加えて、夫・高城剛氏は同誌の取材に対し、「沢尻の現所属事務所であるエイベックス・マネジメントは、この事実を把握していたうえで、沢尻と契約を締結した」と答え、ネットメディアなどで物議を醸している。
芸能界を揺るがす一大スキャンダルにもなりかねない、今回の疑惑報道であるが、最もその行方を注視しているのが、7月14日公開予定の沢尻主演映画『ヘルタースケルター』(配給:アスミック・エース)関係者だろう。ちなみにこの映画のキャッチフレーズは、「映画というより、事件!」というものだが、いみじくも公開前から”事件”を巻き起こすかたちとなった。
本来であれば、公開を目前に控えた今、主演の沢尻がメインとなってPR活動を行うべき時期だが、「体調不良」を理由に活動を休止中。蜷川実花監督は映画公式サイト上で、
「『ヘルタースケルター』を撮っている時、何度も現実と物語がリンクし、境界線が曖昧になる体験をしました。 前日の撮影をお互いまったく覚えていない程、私達【編註:蜷川氏と沢尻】は物語に進んで沈んでいったのだと思います。(略)彼女に静養が必要なのは、必然のような気がします」
と、非常に想像力をかき立てるコメントをしている。なお、「週刊文春」(6月14日号)の「沢尻の大麻使用を知っていたのではないか?」という取材に対し蜷川氏は、「何を聞いても苦笑したまま宙を見上げるばかり」(同誌)という対応であったという。
6月9日現在、『ヘルタースケルター』の公開見送りなどの発表はされておらず、このままいけば予定通り7月14日の公開を迎えるかたちとなる。しかし、映画製作委員会(スポンサー)として名を連ねるWOWOW、アスミック・エース・エンタテインメント(配給元)、パルコほか計7社にしてみれば、自社の企業名がパンフレットなどに掲載された映画の主演が、もし過去のことだとしても薬物常習者だったとすれば、企業イメージを損ないかねない。
現に4〜5月にかけ、生活保護費不正受給疑惑に揺れたタレント・河本準一が出演するテレビ番組のスポンサー企業には、消費者から「なぜスポンサーを降りないのか?」とのクレームが相次いだ。
映画関係各社は、揃って「何も答えられない」
今回の一連の報道について、製作委員会各社は、どのように受け止めているのだろうか?
例えば、同委員会の1社で配給元でもあるアスミック・エース・エンタテインメントは、「週刊文春」(6月14日号)の取材に対し、次のような回答を行っている。