「エイベックスに確認しており、そのような事実はないと伺っております」
今回、改めて同委員会の7社すべてに問い合わせたところ(うち3社から回答)、一様に「映画の広報については製作委員会の幹事社に一任している。立場上、何も答えられない。幹事社の共同ピーアールさんに尋ねてください」という回答であった。
共同ピーアールとは、企業広報を代行する広報専門会社だが、同社に問い合わせたところ、次のような回答を得た。
「うちは製作委員会から、映画の宣伝に関することのみを委託されており、映画に出演するタレントさんのプライベートな問題については、お答えできる立場にありません。また、製作に関する窓口はWOWOWさん、撮影に関する窓口はアスミック・エースさんですが、お尋ねの件について、お答えできる企業さんはいらっしゃらないのではないでしょうか」
映倫「あくまでも配給元やタレントサイドの問題」
そこで、映画の内容が、法や社会倫理に反していないかを審査する映画倫理委員会(映倫)は、大麻常習暦疑惑のある女優が主演する映画が公開されようとしていることについて、どのように考えているのだろうか?
「うちはドラマ【編註:映画の内容のこと】を審査するところであって、そこに出演する俳優さん個人の問題については、一切、お答えすることはありません。映画公開に関しても、何かを話す立場にはありません。そうした問題は配給元さんかタレントさんの所属する事務所に聞いてください」
製作委員会の企業と同様、こちらもコメントできる立場にないとのことだった。
規模の大きさゆえ、誰も責任を取れない?
以上から、映画業界では、特定の作品に関して疑惑がささやかれるような事態でも、誰が窓口として対応すべきかが不明確な印象を受けるが、その背景について、ある映画業界関係者は、次のように語った。
「そもそも映画製作は大掛かりなもので、動くお金も大きい。スポンサーもお金を出していることは確かだが、企業間での複雑な利害関係などもあり、不祥事があっても、責任を持って対応できる立場の人というのはいません。また、そもそも製作にあたり、出演女優が騒動を起こす、もしくは疑惑を持たれるような事態など想定していません。ですので、もし沢尻さんについての一連の報道が事実であっても、すぐに、なんらかの判断・対応ができる人がいないというのが実情です」
つまり、危機管理という点では、責任の所在があいまいになる構図のようだ。またこの関係者は、
「疑惑報道により、出演女優の話題で盛り上がることは、映画の宣伝にもなりますし、事実でないならば、誰も傷つきませんしね」
とも言い、要は結果として映画の宣伝になるということで、刑事事件にさえならなければ、静観しておきたいということのようだ。