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不可解人事の舞台裏とは?

総会屋事件で引責辞任した野村證券元社長が復活の謎

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「アジアAH」HPより
 これも復活人事というのだろうか。総会屋への利益補填で引責辞任した野村證券の元社長・酒巻英雄氏(76)が、6月28日に開かれる株主総会でアジア・アライアンス・ホールディングス(アジアAH)の社外取締役として復活する。酒巻氏が表舞台から消えて、15年が経過した。

 空前絶後の金融スキャンダルに発展した総会屋・小池隆一氏に対する「利益供与事件」は、多くの逮捕者を出した。企業側の逮捕者は、第一勧業銀行11人、野村證券3人、山一證券8人、日興證券4人、大和證券6人の計32人に及んだ(社名はいずれも当時)。

 野村證券の当時の社長、酒巻英雄氏は、"証券界のドン"田淵節也元会長(故人)の復権を実現させるために、小池隆一氏に株主総会を仕切ってもらうよう自ら依頼し、その見返りとして利益の供与を約束した。田淵元会長は、石井進・稲川会会長(故人)の東急電鉄株式の仕手戦に会社を挙げて協力した責任を問われ、91年に会長を辞任。同時に辞任した田淵義久社長の後任に指名されたのが、人事担当副社長の酒巻氏だった。酒巻社長時代の95年に田淵節也氏は、再度、取締役に就任し復権を果たした。

 バブル崩壊で総会屋側に大きな損失が出たため、酒巻氏は損失補填以外に小池氏との約束を守る方法はないと判断。自己取引で買い付けた株式の利益を付け替える「花替え」により利益を捻出したが、それでも足りない。結局、子会社の野村ファイナンスから3億2000万円の裏金をジュラルミンのケースに詰めて運び、野村證券本社の総務課応接室で小池氏側に手渡すというサスペンスドラマさながらの愚行を演じた。

 国会に参考人招致された酒巻氏は、「組織ぐるみの犯行ではないか」と問われ、「残念ながら個人ぐるみです」との迷言を残している。

 97年3月、酒巻氏は社長を引責辞任。商法違反(利益供与)と証券取引法違反(損失補填)に問われた彼は99年、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。

 酒巻社長の指示で小池氏への「花替え」を実際に行ったのが、株式担当常務の松木新平氏。高卒から、野村證券の株の取引部門の最高責任者にまで上り詰めた立志伝中の人物で、バブルの時代の花形証券マンの1人だった。松木氏は今年、2000億円の年金が消えたAIJ投資顧問の取締役としてスポットライトを浴びた。

『証券投資の基礎』


重要項目は“不正取引”?

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