「カレログ」は「本人の同意なく無断インストールされる可能性がある」などとして批判が集中。総務省も問題視したほか、セキュリティソフトメーカーのマカフィーがウイルスとして認定したという経緯もある。騒動は大きく報道され、「そもそも気持ち悪いサービス」「プライバシーの侵害だ」などと炎上が拡大した。
一方、「カレピコ」は「カレピコエリア」を設定し、そこに近づくと相手に通知される機能や、現在の居場所を知らせてくれる「今どこCall♪」のほか、記念日を教えてくれる機能も実装。「カレピコエリア」に近所のスーパーを登録しておけば買い物を頼むことができるし、自宅の最寄り駅に設定しておけば、彼の帰宅に合わせて御飯の準備できるなど、さまざまな使い方が提案されている。浮気を防止しようと思えば、ホテル街や彼氏の元カノの家を登録しておくと、効果がありそうだ。
問題ばかりが指摘された「カレログ」が終了することは分かるが、懲りずに新バージョンをリリースする運営元「マニュスクリプト」の真意はどこにあるのか。取締役の三浦義則氏を直撃した。
●「カレピコ」は過ちを事前に防止するツール
――まず、なぜ「カレログ」を終了して、「カレピコ」をリリースしたのか、理由をお聞かせください。
三浦 「カレログ」の目的は恋愛の支援でしたが、行動のログを取るだけでは本当の支援にならないと感じたからです。例えばログを確認して恋人が怪しい場所に寄っていたとしたら、当然、浮気の可能性を疑いますよね。しかし、実際に浮気をしていたとしても、それはすでに起こってしまったことです。過去のことを責めるためのツールではなく、これから起こることを未然に防ぐツールの方が未来志向でよっぽど有意義であり、それが「カレピコ」なら実現できると思っています。
また、「カレログ」ではログをパソコンで確認するので、リアルタイム性に欠けるという弱点がありました。その点、「カレピコ」では登録した場所に近づいたことをスマートフォンで瞬時にチェックできます。子どもの見守りなどにも使ってもらえたらいいですね。
――「カレログ」の存在は、社会に大きな波紋を広げ、たくさんの批判を受けました。それでも懲りずに位置情報を利用した恋愛支援アプリを開発し続ける理由は、なんなんでしょうか?
三浦 まず前提として言えることは、スマートフォンの普及と共に位置情報サービスの重要性は増していますが、例えば私が中野にいることを誰かが知ったとしても、私がなに者で、なぜそこにいるのか、その場所と私を結び付ける情報がなければ、まったく価値はないということ。位置情報は当事者同士の関係性が近くなればなるほど、必要性が高いクリティカルなデータになるんです。そんな考えのもと、恋人や家族同士がお互いの位置情報を知ることに対してニーズがあるんじゃないかと考え、リリースしたのが「カレログ」でした。