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紆余曲折が予想される、商品先物取引との一体化=「総合取引所構想」

東証大証の“追いつめられ”統合で幕を開ける、取引所大再編

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東証と大証の経営統合について
報じる11月20日付日経新聞より
 来年1月1日に東京証券取引所(東証)と大阪証券取引所(大証)が統合し、「日本取引所グループ」が発足する。10月29日に両社の取締役会において合併契約の締結が決議され、11月20日には両社株主から承認を得るための臨時株主総会が開催された。一時は、「合併白紙か」と危惧された両社の統合は、紆余曲折を経てようやく日の目を見ることになる。

 この両証券取引所の統合について、ある旧大蔵省(現財務省)OBは感慨深げに、「ようやく決まりましたね、長い道のりだった。あの合意文書を結んで、実に20年が経過している。感無量だ」と語った。

 このOBが指摘した「あの合意文書」とは、バブル経済が崩壊した直後の1992年12月22日に、東証と大証の幹部ら6人が連名で署名した「我が国における先物取引等の今後の在り方について」と題する文書である。そこには次のように記されている。
 
「平成4年8月28日付け総合経済対策を踏まえ、我が国証券市場の健全な発展を図る観点から、株価指数先物取引等の在り方について、関係者間で協議した結果は、下記のとおりである。

 1.将来の我が国証券取引所の在り方に関し、東京証券取引所が現物、大阪証券取引所が先物において中心的役割を果たし、ともに世界で重要な地位を占めることを基本的考え方とする。

 2.このような基本的な考え方を踏まえ、先物取引等の健全な発展を図る観点から、大阪証券取引所における先物取引等の対象指数を加重平均方式のものに変更する。なお、新指数による先物取引等が定着するまでの間、現行指数による先物取引等は、継続する。

 3.現物・先物両市場の一体的な管理・運営を円滑に行うため、東京証券取引所・大阪証券取引所間の連携強化を図る。

 4.東京証券取引所は、大阪証券取引所の先物取引の発展について、最大限の協力を行う。

 5.大蔵省証券局は、以上を踏まえ、必要な措置を関係者に対し要請することがある。

平成4年12月22日」

 この合意文書には、当時、東証理事長であった長岡實氏と理事会議長の梅村正司氏。大証理事長であった山内宏氏と理事会議長の小林武氏。大蔵省証券局長であった小川是氏、日本証券業協会会長の工藤榮氏の6名が署名・捺印している。

●旧大蔵省の介入

 この合意文書が結ばれた背景には、当時の東証と大証間の業務領域をめぐる確執があった。バブル経済から一転、急速に冷え込む市場を前に、両取引所は業容回復にしのぎを削っていた。ともに顧客獲得に奔走し、お互いを潰し合う懸念さえ指摘されたほどであった。「とりわけ大証は、東京に負けるな、大阪の底力を見せつけろと、東証に対して強烈なライバル心をあらわにしていた」(大手証券幹部)という。そこに大蔵省が間に入ってまとめられたのが、この合意文書である。

「現物は東証、先物は大証というすみ分けが、行政が行司役になって決められた。いわば縄張り争いを収める手打ちのようなものだった」と先の大手証券幹部は振り返る。合意文書の最後のくだり、「大蔵省証券局は、以上を踏まえ、必要な措置を関係者に対し要請することがある」とは、東証と大証がなおも揉めることがあれば大蔵省が介入すると、行政が釘を刺したことを意味していた。

●沈没という危機感

 それから20年、東証と大証はついに統合に踏み出す。あれほどいがみ合った両社が統合する背景にあるのは、このままでは両証券取引所ともアジアの他の市場に顧客を奪われ、沈没しかねないという危機感にほかならない。

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