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ジャーナリスト・井上トシユキが見る「上杉隆×池田信夫“名誉毀損”裁判」第2回

池田信夫「上杉隆は、自らの盗用をわかって私を名誉毀損で提訴。言論を萎縮させてる」

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反訴の記者会見を行う池田信夫氏(中央)
【第一回口頭弁論についてはこちら】
http://biz-journal.jp/2013/02/post_1434.html

 4月22日13時15分~、上杉隆氏が名誉毀損で池田信夫氏ほかを訴えた民事裁判の第二回口頭弁論が、東京地裁721号法廷で開かれた。風雨のあった前日とはうってかわり、爽やかな日和である。

 さる1月28日に第一回の口頭弁論が行われたこの裁判。池田氏がブログ上で「読売の記事を盗用した上杉隆氏」として書いた記事をめぐる名誉毀損について争われている。上杉氏が「著者調べ」として使用していた、東日本大震災での原発事故における諸外国の対応データが、読売新聞に掲載されていたものとそっくり同じだったというのだ。その後、ネット上で互いに批判の応酬があり、ついにガチンコで組み合ったまま法廷に持ち込まれたというわけだ。

 まだ裁判に慣れていなかった頃、いまから10年以上前には、「口頭弁論」という言葉の響きに畏怖心のようなものがあった。『逆転裁判』のように、「裁判長っ!異議があります!(ビシッ)」みたいな応酬が繰り返されるものだと思っていたからだ。実際に自分でやってみて、はじめてそんなことではないと知った。駆け出しのライターとして、日本語の難しさを痛感させられたエピソードのひとつとして、いまも記憶に残っている。

 二回目の弁論では、原告、被告双方の陳述(裁判における主張)やそれを裏付ける証拠についての「淡々とした事務的な応酬」が主なトピックとなる。前日の日曜日、東京地裁からも程近い日比谷野外大音楽堂へご招待でフラワーカンパニーズを聴きにいき、あまりの寒さに日本酒をガブ飲みした“後遺症”を抱える身としては、ちょうど良いぐらいに思って法廷の扉を開けた。

 開廷直後の軽い一発で、「後遺症」が少し減退した。原告側、つまり上杉氏が被告らに対する請求のうち一部を取り下げたという。どの請求を、どれぐらい取り下げたのか、傍聴席からでは詳らかではないがゆえに、興味がつのる。うーむ……。

 その後、裁判長が原告代理人に対し、被告側からの求釈明【註1】や真実性の抗弁【註2】を受けて、原告の主張をあらためてExcel等を使って整理してほしいと「お願い」をした。表形式になっていれば、各々の主張を比較しやすく、またチェックやメモを入れやすいなどの利便性があるからだ。

 原告代理人は、当初、Excelを使えと言われて「付箋をつけること」と思っていたようだったが、表形式のデータにすることと、なんとか理解したようだ。これがデジタルディバイドってやつか……、とまでは思わなかったが、ちょっと面食らってしまった。原告代理人はお年を召した方だけに、Excelと急に言われてもわからなかったのだろう。

 そして終盤、筆者としては少し意外な言葉を聞く。裁判長が、争点の整理も含めた弁論準備【註3】も視野に入れたいが、と双方に質したのだ。弁論準備となると非公開のうえに、判決だけではなく和解の可能性も出てくる。

 これを双方ともに諾としたことで、ネット上での激しいやり取りとは異なり、着地点を探る攻防となるのか……。上杉氏、池田氏らともにガチンコ勝負と、場外からは見えていただけに、興趣を削がれたような気になってしまう。

 最後に少々肩すかしを食らったものの、予想どおりの淡々とした流れで第二回口頭弁論はお開き。

●池田氏は反訴の記者会見

 と思ったら、ここから想定外の第二幕が用意されていた。この後、池田氏ら被告側が司法記者クラブにて、反訴【註4】の記者会見を行うという。ガチンコのセメントマッチは、こっちに用意されていたのだ。それは、会見における池田氏の熱弁を聞けば明らかだった。

「(今回の上杉氏による)訴訟そのものが虚偽だ」と話し始めた池田氏は、徐々にヒートアップ。反訴を提起した理由について、以下のように説明した。

・(上杉氏による)名誉毀損訴訟の内容、主張が事実ではなく、存在していない。

・自分でウソだとわかっているのに訴訟を提起したこと、(こうした)バカげた名誉毀損事件を提訴することが、ネット上の言論の自由を侵害し、言論を萎縮させてしまう。