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Jリーグ、秋春制移行やアジア戦略の前に取り組むべき、山積する課題と抜本改革

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日本サッカー協会ビル(JFAハウス)
「Wikipedia」より/Dddeco)
 現行の夏をまたぐシーズンではなく、冬にリーグを行う「秋春制」への変更や、グローバル化を見据えた「アジア戦略」を掲げる、中西大介事務局長率いるJリーグ

 4日20日に行われた“さいたまダービー”は、史上最も注目を浴びた試合だった。浦和レッズが再び優勝戦線に戻ってきたのはもちろん、創設以来J1下位に沈んでいた大宮アルディージャの“Jリーグ無敗記録”もかかった首位争いとなったからだ。そんな熱気あふれる試合は、あいにくの雨。大宮のホームであるNACK5スタジアムには、限られた記者席を覆う屋根しかない。サポーターはもちろん、メディアの1/2も雨を浴びながらペンをノートに走らせるという状態になってしまった。

 試合後の記者会見場では、記者同士がにじんだノートを見せ合ったくらいだ。日本のスタジアムは、欧州と違い、屋根などが完備されていない。春夏秋の雨ならまだ耐えられる。しかし、冬の雨ならどうか。考えただけでゾッとする。「秋春制」に移行し、寒い中での試合が増えた時に、欧州のスタジアムとは程遠い質素な陸上競技場だらけの試合会場に、果たして多くの観客が詰め掛けるだろうか? ロイヤルボックスにいるJリーグ幹部は、この一般客の現実がわかっていないように映る。

●アジアでの凋落

 そして、「アジア戦略」の前に、アジアでのJリーグの凋落ぶりに歯止めをかけなければいけない。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に今年もJリーグから4チームが参加したが、決勝トーナメントに進出できたのは柏レイソル1チームのみ。日本のサポーターからすれば深刻な状況だが、Jリーグ関係者はそ知らぬ顔で、「ACLで勝てなくても、日本サッカーに打撃はないですよ。だって、日本代表選手たちは、いまや海外組がほとんどでしょう。ACLと日本代表はイコールではないんですよ」と一笑に付す。確かに、ACLの成績よりも、アジア各国は日本代表、ひいてはJリーグの発展に注目している。

 とはいえ、コンテンツを販売するならば、チームが魅力を持たなければいけない。それこそ、リーガエスパニョーラの人気チームのように、JリーグチームがASEAN地域からツアーを翹望されるように。

 もちろん、「アジア戦略」は、日本企業のASEAN進出に伴い、企業の広告宣伝費がASEANに回ることも念頭に置いている。その考えは理解できるが、Jリーグクラブがアジアのトップに君臨しなければ、価値は薄れ、絵に描いた餅となってしまう。

 現状は、世界のビッグネームをアジアに呼んでいるのは中国スーパーリーグで、Jリーグで活躍した選手は欧州や中東にさえも引き抜かれてしまっている。それを打破するためには、Jリーグクラブを骨太にしなければいけないし、そのキーを握るのはJリーグ側である。

 マルハンが大分のスポンサーを降りざるを得なかった、ユニホームスポンサー倫理規定を再考すること。さらに、外資の参入の検討も必要だろう。ほかにも、スタジアムの整備、民放メディアへの露出など、Jリーグが取り組まなければいけない課題は山積みといえる。元日本代表で、現在J2でプレーする服部年宏は「いまは選手上がりが、JFAやJリーグの要職に就ける流れになっていないから、そこを思いっきり変え、選手のため、サポーターのために仕事をしてほしい。組織を維持するための仕事に励むのは結構ですが、J2の小さな声にも耳を傾けてほしい」と嘆いている。

 豪華絢爛なJFAハウスで仕事をしているJリーグ職員たちに、服部の言葉は届くだろうか?
(文=編集部)