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株価高騰はバブルなのか?アベノミクスによる景気回復を左右する7つのカギと懸念材料

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メディアはこぞってアベノミクスと株式市場の動きについて報じている
 昨年12月に発足した自民党・安倍晋三政権によるアベノミクス効果を受け、日経平均株価は5月に一時1万6000円近くまで急上昇したが、その後急落し、以降乱高下が続いている。現在の株高は実体経済を反映したものなのか? それともバブルなのか? アベノミクスによる今後の日本経済の見通しと、景気回復へのカギと合わせて、大和証券チーフテクニカル・アナリストの木野内栄治氏に聞いた。

木野内栄治氏
--5月に一時株価が1万6000円近くまで急上昇したが、これはアベノミクスの金融政策による効果なのか、それともバブルだったのか?

木野内栄治氏(以下、木野内) 株価の上昇率は、半年で5割が限界といわれている。平均株価にすると1万3000円を下回るぐらい。そのため1万6000円近くまで上がってしまったのはオーバーシュートです。60年に1回あるかないかぐらいのこと。約60年前の1949年、日本経済の自立と安定のために、GHQ経済顧問ジョセフ=ドッジによって立案された財政金融引き締め政策、ドッジ・ラインが実施され、インフレ抑制が終了した。言い方を変えれば、デフレからの立ち上がりの時期だった。そこから急激に日本経済が回復するが、それぐらいのことをマーケットが期待したのではないだろうか。

--5月23日の株価の暴落以来、証券市場は乱高下を続けており、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が50を切ったのがきっかけではないかと当時いわれた。

木野内 5月23日に株価が約1100円下落し、当初は中国関連のデータがきっかけになったといわれていたが、実際に売られたのは不動産、銀行、保険、電力など金利敏感セクター。中国関連銘柄は、あまり影響を受けていない。直接は、長期国債の金利上昇を嫌気した売りだった。その後の株の乱高下は、地震でいえば本震のあとの余震のようなもの。

--今後、長期金利の動向はどうなると見ているか?

木野内 株価の下落で金利動向は沈静化し、日銀もきめの細かいオペレーションをすると言っている。今後は大きな心配はなく、大暴落の最初のきっかけは終わっていると思う。また、米国の出口戦略も金利の上昇に大きな影響があると思うが、あまりにも早いピッチで金利が上昇したので、これ以上はゆっくりとしか上がらないところまで来ている。日本のマーケットの阻害要因にはならないと思う。

--大暴落以降の乱高下は、外国人投資家の先物取引が大きく影響しているといわれている。

木野内 乱高下の中で、特に先物取引をやっている米系の証券会社の売りが目立った。先物中心の取引の場合、「ボラティリティー(変動性)が増えるとリスク量が増える」というが、株が大幅に下落すると、買いで入ってきている人たちは委託証拠金の追加か建玉の売却を求められるため、株の大暴落がこうした証券会社に売却圧力となった。

 逆に売り方で入ってきている投資家は、株価が暴落すると非常に利益を得ることができるが、多少なりとも株価が上昇すると損をするかもしれないと不安になり、結局買い埋めるわけです。これが余震となって続いていく。

 こうした動きは、一般にはSQ(オプション取引の決済日、毎月第2金曜日)まで続くといわれています。ただ、金利敏感株とは別の、機械や非鉄金属なども売られている。設備投資に関わる機械産業や非鉄金属のセクターは、アベノミクスの成長戦略の目玉。米系証券が売っているとすると、海外の投資家は成長戦略に疑問を抱くようになっている者もいると想像できる。これは円高というリスクにもつながっている。

●米国金融政策の日本への影響