電車の冷房、車両や日により違うのはなぜ?どうやって調整?東急電鉄さんに聞いてみた
この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。
【今回ご回答いただいた企業】
東急電鉄・お客様センター様
まさかこんなに早く梅雨が明けるとは。
ついに恐れていた本格的な夏が来てしまった。東京は連日最高気温が30℃超え。日本テレビのある汐留界隈なんて、海の近くにあるのにまったく風が吹かないので、体感温度はさらに高くなる。
そんな灼熱地獄の中、オアシスともいえるのが、移動中に乗る冷房の効いた電車である。
だが、電車にも落とし穴がある。弱冷房車だ。
真夏に弱冷房車を喜んでいる人なんて、本当にいるのだろうか?「私、弱冷房車じゃないとダメなんです」という話は聞いたことがない。
できることなら避けたい弱冷房車だが、なぜかよく乗ってしまう。通常、弱冷房車は一車両だけなのに、気がつくと弱冷房車に乗っているのだ。それが最寄り駅の場合なら、まだ理由がわかる。階段の目の前に止まる車両が弱冷房車なのだ。しかし、ほかの駅、ほかの路線でも、なぜか弱冷房車に当たってしまうことが多い。こういう悪いくじ運は、まったくありがたくない。
乗った車両が弱冷房車じゃなくても、それで安心するのはまだ早い。やけに蒸し暑い時がある、かと思ったら、逆にやたらに寒いこともある。
いったい、電車のエアコンはどういう仕組みになっているのか。考えてみるとよく知らない。
そこで今回、東急電鉄お客様センターに直接聞いてみた。
「電車の中って、日によって暑かったり寒かったりするんですが、空調はどのように調整しているのですか?」
担当者 電車内の空調ですが、一応規定で温度は決まっております。通常の車両は26度、弱冷房車両に関しては28度に設定しております。さらに、温度を感知するセンサーが付いておりますので、自動運転にはなるんですね。
–センサーというのは、どこに付いているんですか?
担当者 壁センサーというものが、車両の連結部分の壁に付いているんです。各車両の下り側の端のところです。それともう1カ所、車両の天井の空調の吸込口の中に、リターンセンサーというものがありまして、その2カ所で、空調を管理しております。
–車掌さんはノータッチなんですか?
担当者 はい、ただ、車掌のほうにも、入と切のスイッチがありますので、その日の気温だとか、混み具合などから判断して、操作する場合もございます。そういった情報は車掌の判断のほかに、駅員のほうからも入ってきますので。
(そして今度は逆質問をされた)
担当者 ちなみにお客様、ご利用される時間帯はいつも決まっていますか?
–基本的には朝ですが、日によっては昼の時もありますね。
担当者 朝の早いお時間ですと、なるべく早く冷やすためにエアコンを入れたりはするんですけども、どうしてもお天気がいい日とかですと、車内が冷えるまでにお時間がかかることがあるんですね。
–なるほど。
担当者 それと、大変申し訳ないのですが、今、6月1日から9月30日までなんですが、田園都市線をはじめとする東急各線の新型車両において、クールビズトレインというのを、朝の10時から16時の間、実施させていただいているんですね。
–クールビズトレイン? なんですか、それは?
担当者 通常26度の設定なのですが、27度に変更して走っている電車も中にはあるんですね。
–それは全部の車両ではないんですか?