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敏腕出版営業ウーマンに聞く、ベストセラーを生み出す方法〜知られざる出版業界の裏側

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菊池えりかさん(撮影=山本宏樹/deltaphoto

 ビジネスから語学、実用、趣味など幅広いジャンルの書籍を手がける総合出版社・アスコム。1年半前より同社で書店営業の仕事を始めた菊池えりかさんに、書店との交渉術やベストセラーを生み出す方法、大手に負けない独自の取り組みなどについて話を聞いた。

――菊池さんの現在のお仕事の内容を、具体的に教えていただけますでしょうか?

菊池 書店営業です。担当エリアの書店をまわって新刊のご案内や、メディアで紹介されるのご案内をしています。いかに書店で商品をいい場所に置いてもらうか、各社熾烈な戦いになっているので、担当の方との関係を円滑にし、より良い場所に置いてもらう交渉を常にしています。

――交渉のコツなどはありますか?

菊池 私が心掛けていることは、素直になることと、あえて自分の弱みを相手に見せることです。私は出版の営業、特に書店回りは始めてまだ1年半なので、最初が肝心だと思い、ありのまま、わからないことはわからないと言って、素直に教えを請うという方法を取りました。そうすることで、書店さん方から可愛がってもらえるようになりました。もうひとつは、自社の商品だけではなく、他社の新刊や売れ筋商品も教えてあげることですね。また、他の書店さんで売れている商品や、この本とこの本を隣同士にすると売れやすいという情報をお伝えします。そうすることで、自分の利益にならなくても信頼を得ることができます。

――担当エリアはどちらでしょうか?

菊池 山手線内ですと恵比寿、目黒、田町です。また、埼玉エリアも担当しています。弊社の場合は地方担当も兼任しており、私は北陸と甲信越を担当しています。特に地方の場合は、地元でチェーン展開している書店さんが力を持っていますので、そこに行くことが多いですね。

――地方への出張の頻度は?

菊池 時期にもよりますが、3〜4カ月に1回のペースで行きます。先週は北陸に行ってきました。3日間で富山、福井、石川をまわるので、弾丸です。1日で訪問する書店は5〜6軒で、あとは本部との打ち合わせがあります。

――営業部は何人いらっしゃいますか?

菊池 営業部は総勢16名で、うち書店営業は12名です。

――営業部では新しく入る方への研修プログラムなどはありますか?

菊池 特に決まった研修はありませんが、営業部に配属されたら、1人の先輩につき2回ずつ同行します。6人の先輩がいれば、6通りの営業スタイルがありますので、それらを見て学ぶのは楽しかったです。自分はどんな営業スタイルが合っているかを考えるにあたり、とても参考になりました。

――特徴的なやり方の人はいましたか?

菊池 iPadをフル活用していた先輩です。前日売れた冊数、他店での実売数など、データに基づく理論ですごく丁寧に説明していました。数字は事実なので、書店さんも納得してくれるんですね。


――そういうことは菊池さんはやろうと思いませんでしたか?

菊池 最初は難しいだろうなと思いましたが、やはりデータは必要なので、私の場合はiPadではなく、紙に印刷して持参しています。それから印象的だったのは、商品の説明をあまりせずに雑談で注文を取るという先輩です。信頼関係がきちんとできているということなんですよね。

――ちなみに、1年半前に今のお仕事を始めたとのことですが、その前は、どんなお仕事をされていましたか?