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●セブンモデルとの決別
経営危機に陥ったダイエーの煽りで、自身も経営不振に陥ったローソンの再建を託され、02年にローソン社長に就任した三菱商事出身の新浪氏は、ダイエー時代の画一的なチェーン運営を抜本的に見直し、立地商圏に合わせた業態出店策を打ち出した。その目的はセブンモデルとの決別であり、セブンとの差別化だった。
このため、三菱商事ローソンプロジェクト統括室長時代に温めた新業態を次々と開発、それらをスクラップ&ビルドするかたちで現在の主要4業態(ローソン、ナチュラルローソン、ストア100、ハイブリッド型店舗)にまとめ上げていった。
その結果、コンビニ業界で唯一複数業態のチェーンを展開する「コンビニの一匹狼」になった。もちろん、新浪氏はこれを意に介している風はない。13年4月10日付日本経済新聞のインタビューの中でも新浪氏は「コンビニは新たなニーズを探しながら、アメーバのように変わらなければならない」と強調している。
前出アナリストは「マートはセブンモデルを乗り越えるための戦略兵器。3年で500店は予行演習のようなもの。この間にチェーン運営の改善を重ね、その後は一挙に大幅拡大の可能性がある」と予測する。
ローソンマートが成功すれば、コンビニ業界の事業モデルがセブン型とローソン型に分かれる可能性もある。「セブンvs.ローソン」の新たな火花が散り始めている。
(文=福井晋/フリーライター)
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