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営業マン、もはや不要?マーケティングとSNSの進化で、営業に変革期

文=松井克明/CFP

 また、海外の多くのビジネススクールにもマーケティングのコースはあるが、営業のコースはほとんどない。コトラー教授のいるノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院は例外的に営業と営業マネジメントのコースがあるのだという。

 その後の流れとして、大学院レベルの営業マネジメントが紹介されているのかと思いきや、本誌ではいきなり各論に突入する。

・日本一のマーケッター・神田昌典氏『営業革新論 アマゾン、楽天から学ぶ 成約率を高める“技”』

・齋藤孝・明治大学教授『コミュニケーション論 30秒で打ち解ける雑談力 質問力、要約力の極意』

・『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)の著書もあるコピーライター・佐々木圭一氏『表現学演習 言葉を強める5つの方法 感情30%増のメール術』

・メンタリスト・DaiGo氏『営業心理学 心を読んで人を動かす 誰でもできるメンタリズム!』

このようにダイヤモンド社のドル箱である実用書レベルの内容になっている。

●営業学は不要?

 週刊ダイヤモンドは「日本に『営業学』を教える大学はない。大学には、若者たちが社会で活躍するために身につけるべきありとあらゆる専門分野がそろっているというのに、営業マンとして必要な知識を学び、スキルをトレーニングする場がない」というが、そもそも営業のナレッジ(知)の共有は、企業内で行われてきたものではなかったか。

 リストラによる人材の流動化で営業力が手薄となっているために、営業を大学が教えるとなれば、企業のアウトソーシング、コストカット主義にほかならない。経済学的な視点では、営業とは、企業のそれぞれのナレッジであり、大学の営業学部開設は企業のコストカットが行きつく先だ。

 また、経営学的に見れば、ドラッカーは「優れたマーケティングの前には営業は不要」としており、大前氏も「今後のソーシャルメディアの普及を前に、これまでの営業は価値がなくなってしまう恐れもある」と語っている。

 つまり、経済学的・経営学的見地で考えてみれば、営業学を大学で学ぶ必要性はないのだ。

 たとえ営業学部があったとしても、

「(第一印象が大事なので)人に会う前10秒間ジャンプで身体を温めよう」(齋藤孝氏)
「メールの語尾には『!』をつけよう!」(佐々木圭一氏)
「(相手の警戒心を見るために)名刺交換の際に、わざとグッと近づいてみよう」(DaiGo氏)

など、この程度の講義では、さすがの学生たちも「授業料を返せ」と言いたくなるのではないだろうか。
(文=松井克明/CFP)

松井克明/CFP

松井克明/CFP

青森明の星短期大学 子ども福祉未来学科コミュニティ福祉専攻 准教授、行政書士・1級FP技能士/CFP

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