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舛添都知事、韓国優遇策の背景に私的な感情とルーツ?都内に韓国学校増設、在日韓国人融資

文=平沼健/ジャーナリスト
0629_sinkanjp.jpg※画像:『東京を変える、日本が変わる』著:舛添要一/実業之日本社

 東京都の舛添要一知事が7月に行った韓国訪問の際、朴槿恵(パク・クネ)大統領と交わした約束に対し、再び批判の声が高まっている。

 8月20日付産経新聞記事『「韓国だけ便宜は困難」 韓国学校増設、都知事は快諾したけれど…担当者「用地がない」』によると、朴大統領から首都圏での韓国学校増設への協力を求められ、舛添知事は快諾したが、都担当者は「いきなり『韓国のためだけに』便宜を図るのは難しい」と頭を悩ませているという。

 都内で2校目となる韓国学校設置を望む朴大統領から、用地取得の協力を求められた舛添知事は「全力で協力したい」と応じたが、用地取得は容易ではない。交通の便が良い都心に校地に適した公有地はほとんどなく、あったとしても少子高齢化対策を最優先課題に掲げる都は、保育所や介護施設など福祉施設の建設を優先するためだ。

 産経新聞の取材に対し、都担当者は「そもそも都有地だけでなくても、条件に適した土地なんてなかなか見つからない。区部(23区内)は無理なのでは」と話している。

 舛添知事は、訪韓時にソウル大学でスピーチを行い、在日韓国人らに対する「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)に厳しく対応していく考えを強調する中で、「私が付き合っている限り、9割以上の日本人は韓国が好き」などと語ったことが、現実とかけ離れすぎたリップサービスだとして批判されている。

 例えば、読売新聞社と韓国日報社が今年5月に行った共同世論調査では、日本側の73%が「韓国を信頼できない」と答えるなど、2012年8月に李明博大統領(当時)が竹島に上陸した時以降、日本人の韓国への感情は良いとはいえない。

 隣国との友好関係を図ろうとする舛添知事の行為はもちろん悪いことではないだろうが、こうした現状を無視した発言に批判が集まっているといえよう。

韓国優遇は私的感情?

 都知事に就任以前の10年には、在日韓国商工会議所で開催されたセミナーにおいて、「景気回復のためにも、金融機関は低金利で在日韓国人らにも融資すべき」と発言するなど、韓国優遇策を事あるごとに強調してきた。

 舛添知事は、著書『私の原点、そして誓い』(佼成出版社)の中で、「舛添家発祥の地は福岡県ですが、わが家は先祖代々朝鮮半島とはゆかりが深く(略)私の父は自分の選挙ビラにハングル(朝鮮文字)でルビを振った最初の日本人だったようです。そんな縁で、私自身もハングルの勉強に励んでいますし、韓国への造詣を深めることに喜びを感じています。私は韓国には何度も何度も足を運んでいます」と述べており、韓国へは格別な思いがあるようだ。

 個人的なルーツや思いはどうであれ、公人としては私的感情によって、ある一国だけに便宜を図るような政治を行う姿勢には疑問がある。東京都にとって、または国にとって意義のある政策であるならば、議会において議論を深め、十分に都民に説明をすべきことが舛添知事には求められる。
(文=平沼健/ジャーナリスト)

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