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高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏(9月27日)

スポーツクラブ業界、なぜ専門型化?高齢化社会に合わせ介護施設、若者向けに女性専用施設

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「ルネサンス HP」より
「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画や著作も多数あるジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、経営側だけでなく、商品の製作現場レベルの視点を織り交ぜて人気商品の裏側を解説する。

 夏の暑さが去って過ごしやすくなった。「スポーツの秋」を実感するかのように、公園などでスポーツをする人の数も、真夏に比べて増えてきた。

 ところで、ビジネスの世界ではスポーツをマーケティングの視点から整理し、Seeスポーツ(観るスポーツ)と、Doスポーツ(自分でするスポーツ)に分けて考えることも多い。この2つは、ときに連動もする。例えば五輪で観た日本水泳陣のメダルラッシュが刺激となって、全国各地のスイミングスクールで水泳を習う会員が増えるといった具合だ。

 そこで今回は、スポーツクラブ大手・ルネサンスの事例を紹介しよう。

●約4000億円市場を支えるのは中高年

 スポーツクラブ(フィットネスクラブとも呼ばれる)業界の市場規模は約4000億円といわれる。一時は伸び悩んでいたが、近年の健康志向も手伝って堅調に拡大してきた。なかでも平均1万円程度の月会費を負担できる中高年世代が市場を支えている。

 業界首位のコナミスポーツ&ライフと2位セントラルスポーツに続くのが、ルネサンスだ。同社の売上高は406億6091万円、経常利益は22億246万円(2014年3月期)で、10年余で売上高は約2倍に拡大した。東証一部上場企業でもある。

 現在、同社は北海道から九州まで国内に120以上の施設を持ち、総会員数は約40万人。そのうちフィットネス会員(ジム・スタジオ・プールを自由に使える会員)が約25万人、スクール会員(毎週決まった時間に通う会員)が同15万人となっている。

 同社の前身は、大日本インキ化学工業(現DIC)の技術者だった斎藤敏一会長が、1979年に社内ベンチャーとして発足させたディッククリエーションだ。現在もルネサンスはDICの関連会社である。

 その歩みを見ると、戦後ニッポンのレクリエーション史の一端も示しているようだ。

●「余暇を楽しむ」風潮に乗って急成長

 同社の社名は、中世の西欧で起きた芸術・思想上の新しい動きである「ルネサンス」(人間性の回復・再生)から取ったという。

 斎藤氏は大日本インキに入社直後、海外留学第一号としてスイスに研究留学した。スイスでは地元の人を見習い、平日は研究活動を終えたらコンサートに足を運び、休日はハイキングをするなど、余暇を楽しむ生活を満喫した。現地で知り合ったイタリア人の故郷・フィレンツェを訪れ、ルネサンス時代から残る文化に衝撃を受けたことが、現社名着想の発端だった。