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銀座の美容クリニック、会計を間違えたのに返金拒否「後から変更できない」

文=Business Journal編集部
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銀座の美容クリニック
「Getty Images」より

 銀座の美容クリニックを受診した客が、会計を済ませた後に金額を多く支払っていたことに気づき返金を求めたところ、「一度したお会計は変更できません」と断られたという。本来支払うべき金額とは1万4000円の差があったが応じてもらえず、最終的に泣き寝入りしたようだ。なぜこのようなことが起こるのか、美容業界ではよくあることなのか、それともこのクリニック独自の問題なのか。美容クリニックの関係者に話を聞いた。

 美容医療の市場規模は、日本国内も世界でも拡大傾向にある。インドの市場調査会社フォーチュンビジネスインサイトの「美容整形市場規模」レポートによると、2024年の世界の美容医療市場規模は、597億7000万米ドル(約9兆3241億円)に達すると予測され、日本国内でも6000億円を超えるとみられている。美容外科医も急速に増えており、今後も成長が予測される分野である。その一方で、アメリカ、中国、韓国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ブラジルといった主要な美容市場と比べると、あらゆる美容施術において、日本の利用率が一番低いとの調査結果もある。

 日本ではまだ美容医療に対する精神的ハードルが高いことや、詐欺的トラブルが多発したことなどに対するネガティブなイメージも払拭しきれていないことなどが背景にあるのかもしれない。

 実際に、市場規模の拡大とともに美容医療サービスに関する国民生活センターへの相談件数は増加している。その内容は、施術を受けたが、当初の説明よりも高額になったなど、費用に関するものと、施術後に腫れが引かないなどの医療トラブルに大別される。2017年からは一定の美容医療サービスについては、クーリングオフの対象となるなど消費者保護が図られているが、トラブルは増える一方だ。

 なかには、「『10万円全身脱毛』の広告を見て施術を受けにきたが、70万円の高額コースを契約させられた」といった勧誘のトラブルもある。そんななか、銀座の美容クリニックで、前代未聞の会計トラブルが発生し、話題になっている。

「銀座の某美容クリニックで お会計を間違われたのに『一度したお会計は変更出来ません』って言われて本当に意味がわからないwww スタッフが間違えたのに返金されないとかあるんかwww」

 X上にこのように投稿されると、表示回数は120万回を超えるほど注目を浴びた。さらに続けて、「私の説明不足もあるのですけど、正確には『予約した際のクーポンと別のクーポンを利用された』です。2つのクーポンには1本1000円の差がありました。 糸リフトを14本入れたのですが 高い方を使われてしまったので 14000円多く払うことになった と言う流れです」と、当時の状況を説明する。

美容クリニックでトラブルが多発する理由

 なぜこのような状況が発生するのだろうか。都内の美容クリニック関係者に話を聞いた。

「美容クリニックは急速に店舗数が増えており、過当競争になりつつあります。そのため、特に東京都内では、広告を無計画に大量出稿して顧客を獲得しようとしているケースも散見されます。SNSや電車広告、街中のデジタル広告、さらにはインフルエンサーを利用した広告動画などです。そのなかで、広告会社の戦略や契約内容の違いなのか、広告ごとに案内する内容が違っているものもあります。おそらく、今回問題になっているクリニックは、時期をずらして金額や施術内容を変えるようなキャンペーンを行うつもりだったのが、同じ時期に違う金額のクーポンを発行してしまったのかもしれません。

 個人経営のクリニックでは、院長の思い付きで急にキャンペーンを始めたりすることも珍しくないので、スタッフの全員がすべてを把握できていないことも十分にありえます。もちろん、会計スタッフの問題と医療サービスの力量は関係ありませんが、信頼度は落ちますね。

 実はここ数年、美容クリニックの急増に伴って受付スタッフも獲得競争が起きています。今までは正社員で月25万円くらいが給料の相場だったのが、最近は30万円くらいまで急騰しています。アルバイトの時給も1600~1800円くらいまで上げないと、なかなか集まらなくなっていると聞きます。完全な売り手市場なので、社員教育も“なあなあ”になっているところも増えているという側面もあるのかもしれません」

 広告でよく見かけるからといって、必ずしも信頼できるクリニックとはいえない。政府広報オンラインでも、美容医療サービスを受ける前に、施術のリスクや有効性、費用・解約条件などの説明を十分に受けることと、「今すぐ契約すれば安くなる」など即日の施術や契約を勧められた場合には熟考することなどを注意喚起している。

 また、投稿にあったようなトラブルがあった場合には、院長に話をするか、最寄りの消費生活センターに相談するべきだろう。

(文=Business Journal編集部)

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