毎日当たり前のように残業し、家に帰るのは深夜。土日出勤もザラで頭の中には「社畜」の二文字が。そして、心も体もくたびれ果てている割にかんばしくない成果……。
こんな働き方を何とかしたいと思っている人は、「毎日が忙しくて仕方がない」と思っているはずです。
しかし、本当にそうでしょうか?
もしかしたら、目の前に降ってきた仕事を片っぱしから片づけることを「忙しい」と勘違いしているだけかもしれません。これでは、タスクが山積みの状態からいつまでも抜け出すことができません。
きっちり仕事の成果をあげつつ、残業せずに切り上げるために必要なことは、たった一つ。自分のところにくる仕事を「大事なもの」と「そうでないもの」に選別することだけです。では、これはどのように行えばいいのでしょうか。
『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』(グレッグ・マキューン/著、高橋璃子/訳、かんき出版/刊)からその方法を紹介します。
■「大事な仕事」と「どうでもいい仕事」の見分け方
「大事な仕事」と「そうでない仕事」を分けるために、「目標」を設定することがとても重要となります。
これは、単に「目標があると気持ちに張りが出る」ということではありません。目標を設定することで「やるべきこと」と「やらなくてもいいこと」がはっきりするからです。
「この会社で最終的にどんなポジションにいきたいか」「この5年間で自分はどんな仕事を成し遂げたいか」ということについての明確な目標を決めて、その達成に関係がない仕事は切り捨ててしまいましょう。その結果残るのは、目標を達成するための「大事な仕事」です。そこにエネルギーを集中投下するとうというのが、仕事に忙殺されずに成果を出す秘訣なのです。
■仕事を上手に断るテクニック
しかし、「やらなくてもいいこと」を切り捨てることの必要性は、おそらく誰もがわかっているでしょう。ほとんどの人は、切り捨てようと思ってはいても、次から次へと降ってくる雑多な仕事を「断り切れない」のです。
だとしたら、「断る技術」を身につけないといけません。
本書では、仕事の依頼を上手に断るために、こんなポイントを紹介しています。
・とりあえず黙る……誰かに何か頼まれたら、ゆっくり3つ数えてから自分の意見を言う。慣れてきたら、相手が気まずくなって何か言うまで沈黙してみる。
・判断を保留する……その場で断りにくい時は「予定を確認して折り返します」などと言って、判断を保留する。その場でつい引き受けてしまいやすい人におすすめ。
・トレードオフを意識させる……「この仕事を優先でやります。今抱えている仕事のうちどれを後回しにしましょうか?」と、その仕事を引き受けることで、他の仕事が後回しになることを伝える。
頼まれた仕事を何でもひき受けてしまう「八方美人」は、重要でない仕事に時間を奪われるばかりか、いつか必ず抱えている仕事量が限界を超えて周りに迷惑をかけてしまいます。できないこと、自分がやるべきでないことには、きっちり「No」を言えることは、仕事の必須スキルなのです。
仕事で成果を出したい、でも仕事だけに時間が奪われるのは嫌だ!
こんな思いは、きっと誰もが同じように持っているはず。
2015年こそは残業漬けの毎日にピリオドを打つために、「仕事を選別して」「切り捨てる」方法は身につけて損はありません。
本書には、自分の能力を効率よく成果に結びつけるための仕事術について、より詳細な解説がされ、仕事に追われる人に的確なアドバイスを与えてくれます。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。