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互いに侵食、挟み撃ち…仁義なき銀行再編戦争 一大金融グループ誕生に業界は戦々恐々?

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鹿児島銀行本店(「Wikipedia」より/Sakoppi)
 九州では、熊本県のトップ地方銀行である肥後銀行(熊本市)と鹿児島県で首位の鹿児島銀行(鹿児島市)が、今年10月に経営統合することで合意した。これまで起こった再編劇のほとんどは、旧相互銀行から転換した第2地銀を救済するためのものだったが、肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合は県内トップ同士が手を組む初めてのケースだ。それだけに各地の有力地銀の頭取は驚きを隠さなかった。トップ地銀同士が再編に動く時代に突入したことを、身をもって知らされたからだ。

 九州での地銀再編の起爆剤になったのは、ふくおかフィナンシャルグループ(FG/福岡市)の拡大路線だ。傘下に福岡銀行、親和銀行(長崎県佐世保市)、熊本銀行(熊本市)を持つ金融グループで、3県にまたがる広域統合のモデルケースといわれている。
ふくおかFG入りした熊本銀行の14年9月末の預金量は前年同期比28%増と高い伸びを示し、肥後銀行の地盤を侵食し始めた。福岡銀行は鹿児島県の南日本銀行(鹿児島市)の第4位の大株主となり、鹿児島進出をうかがっている。肥後銀行、鹿児島銀行の両行にとって、ふくおかFGは共通の敵だった。

 今回の統合により近い将来、九州には3つの巨大金融グループが誕生する。ふくおかFGの預金量は12.4兆円。長崎銀行(長崎市)を子会社に持つ西日本シティ銀行(福岡市)グループは7.3兆円。そして肥後・鹿児島銀行連合が7.5兆円となり、西日本シティ銀行グループを抜く(いずれも14年9月末の数字)。

 次の県境をまたぐ再編は、やはり九州で起こるといわれている。金融グループと単独で走っている銀行との規模格差が広がるため、単独行が否応なしに再編の渦に巻き込まれるからだ。

●3金融グループに再編か


 金融業界アナリストは、九州の地銀18行は上記の3金融グループに再編されると予想している。ふくおかFGには、福岡銀行が筆頭株主で頭取を送り込んでいる福岡中央銀行(福岡市)、大分県のトップ行である大分銀行(大分市)が加わる。肥後・鹿児島銀行連合に宮崎県トップ行の宮崎銀行(宮崎市)が合流して、南九州の一大金融グループが発足する。ほとんどの地銀関係者はこう予測しているが、問題はその先である。

 九州北部でふくおかFGに対抗している長崎県トップの十八銀行(長崎市)と、佐賀県トップの佐賀銀行(佐賀市)、福岡県南部が地盤の筑邦銀行(久留米市)の3行は株式を相互に持ち合い、勘定系システムはNTTデータに一本化しており、かねてから統合が有力視されてきた。