企業理念は「がんばるぞ!」。仕事内容は「ふざけたこと以外はしない」。営業はしない。祝日のない6月には「オリジナル祝日」を作り、休憩とは別に業務時間中のお昼寝が2時間まではOK。
一風、変わった…というか、なにか“ふざけている”この会社はプロモーション会社の株式会社バーグハンバーグバーグだ。こんなふざけた会社方針にも関わらず、ホンダやauなどの有名企業から依頼が殺到しているのだという。
『日本一「ふざけた」会社のギリギリセーフな仕事術』(シモダテツヤ/著、中央公論新社/刊)では、バーグハンバーグバーグ社長のシモダテツヤ氏が、振り切れた企画術・仕事術を紹介している。
バーグハンバーグバーグは、新しいサービスや製品などのプロモーションとおもしろポータルサイト「オモロコ」などのメディア運営の業務を軸に活動している。しかし、インターネットでふざけたことや面白いことをやると、つきまとうのが炎上や批判だ。
では、主にインターネット上でのプロモーションやサイト運営をするシモダ氏は、どのような仕事論を持っているのだろうか。
ネット上でアクションを起こすには慎重にならなければならない現実もあるが、弱気になってしまい、叩かれる隙もないけど、おもしろ味も大きく削られたモノになってしまう。シモダ氏は、もう少しポジティブに、そして楽観的に物事を考えて動いたほうがいいんじゃないかと指摘する。
そもそも企画やモノ作りというのはポジティブであるべき。「作る」ということへの熱の根幹は、「これを見た人はきっと楽しい気持ちになれるだろう」という想いだ。この気持ちがあるからこそ、そのイメージに近づけるための制作という過程が生まれてくる。ところが、炎上や批判を恐れ、神経質になりすぎてしまう人を最近よく見かけるという。
もちろん、あらかじめセーフティーネットを貼っておくことは大事なこと。理不尽なイチャモンを付けられたとき、言い負けないための理論を事前に用意しておいて、すぐに対応する準備はしておいて損はない。しかし、すべての要素に対して「炎上したらどうしよう」という負の想像しか働かせられなり、結果、普通は問題のない表現まで炎上要素として捉え、修正を依頼してくる人がたくさんいるのだとシモダさん言う。
クレームを考えるとき、声が大きいから、数が多いから再検討の余地がある、というものではなく、それが本当に意味のあるものなのか、それともただの好き嫌いをぶつけてきただけのものなのか、そこをしっかりと判別することが大事となる。最初から炎上への恐怖に頭を支配されるより、もっとポジティブに「これをリリースしたら多くの人が笑ってくれるはず」と、自分の感覚を信じ、形にしていくことが良いのだ。
本書を読むと、「おふざけ」しながら、「ギリギリセーフ」の追求をし、本気でおもしろいモノを発信していこうというバーグハンバーグバーグという会社の考えが伝わってくる。そんな日本一「ふざけた」会社である社長の真面目な部分も読むことができる一冊だ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。