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安倍政権の中枢に、大企業から164人の「天上がり」発覚 重要政策の調査・分析担う

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内閣官房の民間出身者リスト
 内閣官房は内閣総理大臣の下に置かれ、内閣官房長官と内閣官房副長官の下に国家安全保障局、内閣危機管理監、内閣情報通信政策監、内閣総務官室、内閣官房副長官補、内閣広報室、内閣情報調査室、内閣サイバーセキュリティセンターが配置されている。さらに、内閣官房副長官補の下には、IT総合戦略室、宇宙開発戦略本部事務局、健康・医療戦略室、TPP政府対策本部、知的財産戦略推進事務局、社会保障改革担当室、日本経済再生総合事務局などが配置され、まさにアベノミクスを推進する政権の中枢を形成している。


 その政権の中枢に、大企業から164名もの社員が受け入れられていることはあまり知られていない。企業から行政府に職員を派遣することを「天上がり」という。行政府から民間に天下ることに対応する用語である。天上がりに関しては、人事院が人事交流として位置づけており、2006年から12年には倍増して年間4000人を超えている。その中でも、内閣官房への天上がりは政権中枢への影響も考えられるため注目される。

●各社からの受け入れ状況


 特徴的な点を人事院の資料を元に見てみたい。まず、内閣広報室である。内閣広報室は、内閣のメディア戦略を担っている。内閣が進める重要政策について、各府省庁と連携しつつ、首相官邸ホームページ等さまざまな媒体を活用した広報を推進したり、あわせてソーシャルメディア(Facebook、Twitter、LINE等)も活用したりして国内外に向けた情報発信をしている。そこに、電通から2名、ヤフーからも派遣されている。電通は世界最大の広告代理店で、ヤフーはポータルサイトを運営している。電通社員がこのような内閣のメディア戦略に従事していることは、内閣のメディア戦略が電通に支えられていることをうかがわせる。その他に、内閣広報室には日産自動車や三井住友銀行からも職員が派遣されている。

 内閣情報調査室は、内閣の重要政策に関する情報の収集及び分析その他の調査に関する事務を担当しており、内閣情報官の下で次長及び総務部門、国内部門、国際部門、経済部門、内閣情報集約センター並びに内閣衛星情報センターで分担し、処理している。日本の情報機関で、米CIAのカウンターパートナーでもある。そこには、NEC航空宇宙システム(2名)、NEC東芝スペースシステム(2名)、宇宙技術開発(10名)、東芝(2名)、三菱電機(7名)、三菱電機エンジニアリング(2名)、三菱電機特機システム(4名)、新日鉄住金ソリューションズ(4名)などの大企業から職員が派遣されている。内閣の情報収集だけでなく、スパイ衛星を運用する内閣衛星情報センターの業務に従事していることが想定される。三菱電機特機システムは、情報収集衛星を製造しており、自社の情報収集衛星のオペレーションを社員派遣して行っているとみられる。

 内閣官房副長官補に属する組織は、内閣の重要政策に関する企画立案・総合調整など、内閣の中枢機能を果たしており、以下の企業から社員が派遣されている。